2014-11-01から1ヶ月間の記事一覧

Book Review!

作者:雑賀 恵子レビュー: 快楽の効用 嗜好品をめぐるあれこれ (ちくま新書) (文庫) ミシェル・フーコーの名著『快楽の活用』(「性の歴史」II)ではないタバコ、甘いもの、デブをめぐる嗜好品についての文字通り「エッセイ」で、何かしら一方的に悪者にさ…

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作者:中山 元レビュー: と世界をつなぐ哲学 (新書) 市井の哲学者・翻訳家として活躍する、中山元さんの「僕」と「世界」をめぐる思想の小旅行。哲学史上の重要文献の翻訳をアカデミズムから自由なところで世に問うている翻訳家の中山さんだけあって、この…

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作者:中島 敦レビュー: 中島敦 (ちくま日本文学全集) (文庫) 珠玉の短篇が詰まった、素晴らしい作品集。寡作だった中島敦の作品の多くが収録されています。中国を舞台にした有名な「山月記」や「李陵」、南洋諸島での経験を題材にした作品、その他「かめれ…

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作者:島本 慈子レビュー: 住宅喪失 (ちくま新書) (新書) たまたま、大前研一氏の「質問する力」と並行して読み、住宅問題をあるいは似た切り口で、あるいは違った切り口で、学ぶことができました。「住宅とは、誰のためのものか」を中心として、そこから実…

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作者:内藤 忍レビュー: 高校生にもわかる「お金」の話 (ちくま新書) (新書) おわりに、で書かれていますが、本書は実際に鹿島学園高等学校で筆者が4回にわたって高校生相手にお金の講義をした内容を整理して文章化したものでした。高校生相手の講義ですの…

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作者:西園寺 公一レビュー: 貴族の退場―異端「民間大使」の反戦記録 (ちくま学芸文庫) (文庫) 松岡外相のスターリン・ヒトラー・ムソリーニ訪問の随行の話が圧巻。キャビアや風呂つきのシベリア鉄道。軍事的には絶頂なのに国賓にすらろくな料理を饗せない…

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作者:遠藤 秀紀レビュー: パンダの死体はよみがえる (ちくま新書) (新書) 臨場感たっぷりの解剖シーン(ゾウ)から始まります。なかなか興味深い内容で、一気に読んでしまいましたが、一度読んだだけではド素人の私には意味不明の箇所もありまして…部分的に…

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作者:島薗 進レビュー: 宗教学の名著30 (ちくま新書) (新書) 空海やエリアーデ等、古今東西の30人の宗教に関する名著30冊についてのブックガイド。一冊につき10ページ弱ぐらいの解説。また、その短い解説の中でも著者の息づかいを伝えるためにと引用…

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作者:春木 良且レビュー: 人を動かす情報術 (ちくま新書) (新書) 新書にしては少々アカデミックで読むのに少し時間がかかるが、読み応えはかなり十分。精読の価値があると思う。ハードカバーでも良かったんではないかと・・・まぁ新書ならお得だが。「情報…

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作者:小川 正人レビュー: 教育改革のゆくえ ――国から地方へ (ちくま新書 828) (新書) 2000年以降,自民党政権により教育行政,教育政策に大きな変化が起きた。そしていま,民主党政権により,教育行財政に関する多くの提案があり,それらが今後どのように…

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作者:山本 博文レビュー: 男の嫉妬 武士道の論理と心理 (ちくま新書) (新書) 武士道というと、旧五千円札の新渡戸稲造と「葉隠」を書いた山本常朝を思い出す人も多いだろう。本書は、主として江戸時代の武士道のあり方、あるいはその変化について、「嫉妬…

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作者:米山 公啓レビュー: 医学は科学ではない (ちくま新書) (新書) 現在、EBMが取り沙汰されているが、統計学に従うと、その治療を行った100人のうち、一人は確実に回復する治療法は見過ごされてしまうと最初の方に書かれていた。なるほどと思った。が、サ…

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作者:福澤 諭吉レビュー: 学問のすすめ 現代語訳 (ちくま新書) (新書) 福沢諭吉の名著を斎藤孝が現代語訳し、現代の文脈の中で蘇らせた一冊。 人間の平等をうたいあげ、区別するのは学問だけだとする。それは主に実学のことであり、人々はそれぞれの責務を…

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作者:ツベタナ クリステワレビュー: 心づくしの日本語: 和歌でよむ古代の思想 (ちくま新書) (新書) 著者はブルガリア生まれのICU教授。日本人の考え方や日本語そのものに興味があって手に取ったので、和歌など読み飛ばした部分も多かったけど、記憶に残る…

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作者:佐々木 毅レビュー: 政治学の名著30 (ちくま新書) (新書) 「政治」というものに漠然とした知的関心はあるが、どのように勉強を進めていけばよいかわからない人に本書を薦めたい。 政治学の古典30冊(古代から中世をへて現代まで)について著者なりの…

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作者:陳 寿レビュー: 正史 三国志〈5〉蜀書 (ちくま学芸文庫) (文庫) 列伝形式でまとめられており非常に読み物としては読みにくいです。初めてのかたやあまり知らない方は小説を読んで登場人物や歴史の流れをつかんでからの方がいいです退屈してしまうと思…

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作者:四方田 犬彦レビュー: 「かわいい」論 (ちくま新書) (新書) 現代語の「かわいい」が形容詞と感動詞をごっちゃにしたような使い方をされていること=言語文化の変質という事象と、アニメ文化や萌えなどの日本カルチャーの分析が同時並行で行われていて…

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作者:山田 史生レビュー: 寝床で読む『論語』―これが凡人の生きる道 (ちくま新書) (新書) 「筋金入りの凡庸な人間」と自称する著者が、「最上至極宇宙第一の書」とあがめる人もいるくらいの大古典『論語』を、眠り薬代わりに寝床にもって入り、思い浮かん…

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作者:小野里 公成レビュー: 日本の花火 (ちくま新書) (新書) 夏の定番、花火。一瞬で輝き燃え尽きる美しさと儚さが観る者を惹きつけてやまない。だがそれゆえ、雑学的な詳しいことがわからなかったのはたしかだ。本書は入門書としてじつに気楽に楽しめる。…

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作者:ミハイル・バフチンレビュー: ドストエフスキーの詩学 (ちくま学芸文庫) (文庫) “ポリフォニー”と“カーニバル”、二つのキーワードをもとに本書はドストエフスキーの作品世界を読み解く。ドストエフスキーが何を言っているか、ではなく、どのように語…

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作者:竹田 いさみレビュー: 世界史をつくった海賊 (ちくま新書) (新書) エリザベス朝時代、まだ世界の二流国であったイギリス(イングランド)がのし上がっていく、まさに英国版「坂の上の雲」といった話。ただしイギリスの場合、女王自ら海賊を奨励し、ド…

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作者:伊藤 正敏レビュー: 寺社勢力の中世―無縁・有縁・移民 (ちくま新書) (新書) 日本の中世史を解説しているが、西暦で年代が統一されているおもしろさを感じる。 著者個人の主観なのか、年月の流れを数値的に把握するための意図的なものかは判断できない…

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作者:ジョルジュ バタイユレビュー: エロスの涙 (ちくま学芸文庫) (文庫) 確かにバタイユの中では親しみやすく、読みやすいうちの一つではある。しかし、随所にいつもの論理の飛躍はありそういう意味でバタイユらしさも感じることができる。バタイユ最後の…

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作者:広瀬 弘忠レビュー: 無防備な日本人 (ちくま新書) (新書) 前著「人はなぜ逃げ遅れるのか」は、とてもおもしろかったので読みました。最近は、地震など自然災害、テロ、核の脅威、感染症、BSE,犯罪など次々に私達の直面するリスクが話題となります…

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作者:高瀬 淳一レビュー: できる大人はこう考える (ちくま新書) (新書) 「できる大人」、すなわち、「社会的妥当性をふまえた振る舞いや判断」ができる人間になるには、どうすればいいか?「多くの能力開発本が”社会的まなざし”を欠いている」と批判する著…

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作者:高田 明典レビュー: 世界をよくする現代思想入門 (ちくま新書) (新書) 同著者の『知った気でいるあなたのための構造主義方法論入門』が大変秀逸な作品だったので、続けてこの本を購入してみたのだが、これは期待はずれだった。構造主義は問題解決のた…

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作者:服部 文祥レビュー: サバイバル!―人はズルなしで生きられるのか (ちくま新書) (新書) 前作の続き的な内容とサバイバル登山についての色んな項目(装備は?とか食料は?とか)の解説本。やはり中でも山にいるとき一番つらいという害虫の攻撃についてが…

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作者:五味 文彦レビュー: 絵巻で読む中世 (ちくま学芸文庫) (文庫) 「鳥獣人物戯画」「年中行事絵巻」「伴大納言絵巻」「信貴山縁起絵巻」の4つを題材に、諸階層が動き始めた活気にあふれた院政時代を読み解く本書。と言うととても難しそうだが、人物A,Bの…

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作者:中島 隆信レビュー: これも経済学だ! (ちくま新書) (新書) この著者による、「障害者の経済学」という本を題名にひかれて手に取った。おもしろそうとは思ったが、買おうかどうしようか迷った。そのまま新書売り場にゆくと、この本が置いてあった。お…

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作者:佐々木 信夫レビュー: 道州制 (ちくま新書) (新書) 今、この国は未曾有の負債を抱え、国家予算もその半分以上が国債によって賄う異常事態になっている。国民の間では、消費税を含めた大幅な増税もやむなしという雰囲気が一般的になりつつある。本書で…