2014-07-01から1ヶ月間の記事一覧

Book Review!

作者:嵐山 光三郎レビュー: 寿司問答 江戸前の真髄 (文庫) 雑誌「dancyu」で連載され、2002年に新講社から「江戸前寿司一(ピン)の一(ピン)の店を行く」というタイトルで単行本として刊行された作品の文庫版。「しぶとい味」だとか「夕焼けの…

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作者:小坂井 敏晶レビュー: 増補 民族という虚構 (ちくま学芸文庫) (単行本) 東京大学出版会から出ていた『民族という虚構』の文庫、増補版である。民族とは虚構である、というテーゼを聞いた時、人は「何だ、コスモポリタンか?」と訝しげに思うかもしれな…

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作者:松井 今朝子レビュー: 辰巳屋疑獄 (ちくま文庫) (文庫) 大岡越前守の最後の事件と紹介されています。見出しの一つに「大岡忠相の憂鬱」というところがあるように、訴えた方も訴えられた方もという感じの事件です。江戸時代のことであり、帳簿の改竄や…

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作者:今 柊二レビュー: 定食バンザイ! (ちくま文庫) (文庫) 定食屋をはじめとするB級グルメの紹介本です。食エッセイ好きの方にもいいかも。やっぱり都内のお店が多いですが、横浜、大阪、広島、福岡などのお店も紹介されています。 更に詳細を見る

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作者:吉村 昭レビュー: 回り灯籠 (ちくま文庫) (文庫) 本書に収められた一篇一篇は極めて短いエッセーであるが、それぞれが強く訴えかける力を持っており、濃密な読後感を与える。戦記小説や歴史小説を構想し書き上げるなかで氏が蓄積してきたであろう経験…

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作者:井上 理津子レビュー: はじまりは大阪にあり (ちくま文庫) (文庫) かつては、東京をも凌駕する賑わいであった大阪が沈滞気味であるように伝えられています。そんなときにこの本を読んで、やっぱり大阪っていいなぁ、と感激しました。何といいますか、…

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作者:施 耐庵レビュー: 水滸伝 (2) (ちくま文庫) (文庫) 水滸伝には,様々なエピソードが入っています。魯智深,林沖,史進,宋江,智取生辰鋼,そして武松(武十回)といった前半のエピソードは,各地で語られていた講談から取ったものであるので読みいい…

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作者:レビュー: 自然と人生 (ちくま哲学の森) (単行本) この本を読んで、自分の人生についてより深く考えるようになった。いろいろなタイプの作者の作品が並んでいる。いくつかは、長文の一部が抄として紹介されている。雄大な自然の中での、息の長い人の…

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作者:鶴見 俊輔レビュー: どこか遠くへ (新・ちくま文学の森) (単行本) 自分のことを誰も知らない、新しい出会いが待っている、何が起こるかわからない、そんな世界に旅したいといつも考えています。いくつかの著者による作品が紹介されています。良かった…

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作者:童門 冬二レビュー: 歴史に学ぶ大江戸株式会社の危機管理術 (単行本) 本文秘書的仕事の巻で登場する、「本多正信」、「丹羽長秀」については、おおよそイメージどおりだったが、昨年大流行?した、「前田まつ」の意外な冷静(冷酷)さを知り、逆に…

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作者:原口 統三レビュー: 定本 二十歳のエチュード (ちくま文庫) (文庫) 若いなぁといってしまえばそれまでです。でも若さゆえの切実さは、人生の密度を思い切り濃くしてしまう。それを痛々しいほどに感じさせられる一冊。藤村操が「万有の真相は唯一言に…

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作者:別宮 暖朗レビュー: 日本海海戦の深層 (ちくま文庫) (文庫) 日本海海戦に関して、戦艦の発展史や砲術の進歩、米西戦争や日清戦争で発生した海戦との比較など多面的な分析で考察されています。司馬遼太郎の「坂の上の雲」を意識して書かれているのか、…

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作者:武田 泰淳レビュー: 武田泰淳 (ちくま日本文学全集) (文庫) 武田泰淳の本は中古でないと見つかりません。あれば新品を買いたかったので本の状態に満足しております。 更に詳細を見る

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作者:江戸川 乱歩レビュー: 江戸川乱歩 (ちくま日本文学 7) (文庫) 江戸川乱歩のレトロで怪しい独特の世界が堪能できます。意外な結末であっと驚く作品も多く、楽しめます。以下、本書の収録作品リスト。白昼夢/火星の運河/二銭銅貨/心理試験/百面相役…

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作者:ナムコレビュー: ゼビウス スーパーアドベンチャーゲーム (文庫) ゲームブックですが途中で出てきて主人公と同行するヒロインが魅力的でオススメです。性格もよくともに戦ってくれる頼りがいのある娘です。 更に詳細を見る

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作者:保阪 正康レビュー: 孫文の辛亥革命を助けた日本人 (ちくま文庫) (文庫) 現代日本人にはすっかり馴染みがなくなってしまった孫文だが、孫文と明治期の日本人との関係をわかりやすく詳細に書いている。基本的には山田純三郎が中心になっているので、そ…

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作者:スティーブ パーカーレビュー: 動物の体内をさぐる (驚異の大断面) (大型本) 写真ではなく、イラストタッチによる動物の内部図鑑です。立体的に描かれた動物たちを、皮膚をぺり、っと部分部分はがして中身が見えるように図説しています。説明もとても…

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作者:三枝 誠レビュー: 整体的生活術 (ちくま文庫) (文庫) 敏感になりなさい。自分にとって良くないもの、合わないと感じたものを敏感に感じ取って、それを避けるなり、遠ざかるなりしなさい。鈍感が良くない。そんな感じのもっともなことを改めて気がつか…

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作者:村上 満レビュー: ビール世界史紀行―ビール通のための15章 (単行本) 数年前に読んだ本ですが、今読んでも面白いです。各章は独立していますが、ビールの発祥から重要な歴史上の分岐点など、雑学的な部分も含めて非常に興味深く、楽しい本です。少し前…

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作者:ジェイン・オースティンレビュー: エマ (上) (ちくま文庫) (文庫) 『エマ』は、『高慢と偏見』とは少しタイプが違うけれど、素晴らしい傑作だ。美人で、ちやほやされて育った、21歳のお嬢様エマが、他人の「縁結び」を色々と試みるが、ことごとく失敗…

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作者:石川 忠司レビュー: 極太!!思想家列伝 (ちくま文庫) (文庫) 「現代思想 パンク仕様」の文庫版じゃないすか。それいってくださいよぉ、買っちゃったじゃないすかぁ……。といっても、50ページくらい書き下ろしがありますが……。まったくもって著者にと…

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作者:木村 義志レビュー: 生き物を飼うということ (ちくま文庫) (文庫) 心に染み入る本です。単行本(『机の上で飼える小さな生き物』)も良かったけれど、筆者が新聞などに書いた「なるほど」と思わせるコラムを追加してグッドバランスな一冊になった感じ…

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作者:松浦 晋也レビュー: 増補 スペースシャトルの落日 (ちくま文庫) (文庫) 物理好きなので、宇宙物がすき。スペースシャトルはあの主翼がかっこよく、安易にハイテクイメージがあったが、考えてみれば非効率なのは自明であった。歴史ものとしても面白い…

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作者:斎藤 貴男レビュー: 国家に隷従せず (文庫) 治安、効率性、健康など抗い難い価値の名のもとに、個人の自由、尊厳、プライヴァシーが危機に瀕し、「ゆとり教育」と世襲の跋扈による階層分化に象徴されるように、かつてのファシズムを髣髴させる優生思…

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作者:町山 智浩レビュー: USAカニバケツ: 超大国の三面記事的真実 (ちくま文庫) (文庫) なかなかに面白いエッセイ集だ。人間臭く、何につけても極端で、どうやら下卑たことが大好きな本音志向の新大陸アメリカ。西海岸に長く住んでいるらしい、英語ぺら…

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作者:かわぐち かいじレビュー: 回想 沈黙の団塊世代へ (文庫) 『沈黙の艦隊』ファンだったので、執筆当時の裏話などがあるかと期待したのですが、純粋にかわぐち氏の半生記です。団塊Jrにとって親である団塊世代は、社会に対し何がそんなに不満だったのか…

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作者:布施 英利レビュー: 君はピカソを知っているか (ちくまプリマー新書) (新書) 美術解剖学助教授が書く ピカソの解説中学生ぐらいを対象にしたちくまプリマー新書に収められているピカソの解説の本。構成は、人物編として、ピカソの誕生からの変遷を述べ…

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作者:レビュー: きのこの100不思議 (単行本) キノコといえば「食べるもの」、「地面や枯れ木から生える生き物」という漠然としたイメージが強く、キノコが何者なのか理解出来ていない人は多いはず。また最近のキノコ狩りブームによりキノコに興味を持たれ…

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作者:齋藤 孝レビュー: 読み上手 書き上手 (ちくまプリマー新書) (新書) 本書はレビューを書く手助けになる本です。それは読む事と書く事とは連動しているからです。読書好きだけどもレビューを書けない人は書けないだけでなく、読めていないから書けない…

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作者:保阪 正康レビュー: 若い人に語る戦争と日本人 (ちくまプリマー新書) (新書) 大正後期からの流れ、主として満州事変、日中戦争、太平洋戦争の経緯が綴られている。論調は、どちらかといえば客観的であり、高校教科書の内容を補うようなつくりに感じた…