2015-02-01から1ヶ月間の記事一覧

Book Review!

作者:永沢 光雄レビュー: 強くて淋しい男たち (ちくま文庫) (文庫) 私と同世代に属する永沢光雄の本質はズバリ浪花節!『弱くて寂しい』永沢光雄の手にかかると、あまり光が当たらずにパッとしなかった男までが妙に親しみを覚えて、その生き様にグッと目頭…

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作者:田中 圭一レビュー: 百姓の江戸時代 (ちくま新書) (新書) 江戸時代は絶対封建制と、士農工商の厳しい身分制の社会であり、最下層の身分にある農民は、貧困と圧制に喘ぎ、自由もなかったというのが、江戸時代の百姓に対する通説となっているが、果たし…

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作者:長尾 龍一レビュー: 憲法問題入門 (ちくま新書) (新書) 法哲学者 長尾龍一による憲法入門。全体の1/3くらいが一般的な憲法入門の内容ですが、残りは戦後憲法学の一部に存在した「ある種の」傾向に対する痛烈な批判がこめられています。国家の公共性の…

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作者:野村 潤一郎レビュー: ソロモンと奇妙な患者(クランケ)たち (ちくま文庫) (文庫) 野村節のきいた、大変楽しい本でありながら、地球上の生き物(特に人間)が存在する意味を考えさせられた奥深い一冊でした。表紙にもなっている、スカンクのソロモンく…

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作者:晴山 陽一レビュー: TOEIC「超」必勝法 (ちくま新書) (新書) 直接のTOEICの記述は最初の数十頁しかない。後半はなにやら英語でことわざを勉強する羽目になる。TOEIC対策ということではなく、英語の対策ということで、である。試験の点数としての英語…

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作者:デイヴィッド テイラーレビュー: 野生の国の獣医 (ちくま文庫) (文庫) 依頼があれば世界のどこにでも飛んで行く、フリーランスの動物園獣医デイヴィッド・テイラー先生の活躍を描いたノンフィクション。守備範囲はゾウにサイ、トラにライオン、ゴリラ…

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作者:広谷 鏡子レビュー: 恋する文楽 (ちくま文庫) (文庫) 恋する「キッカケ」はいつ訪れるか分からない。そのキッカケをドラマチックながら、サラリと語る。-「文楽ってどんな魅力があるのかしら?」読む者をその世界にうまく引き込む。自分が魅せられた文…

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作者:永倉 万治レビュー: 武蔵野S町物語 (ちくま文庫) (文庫) 永倉万治は、独特のユーモアのある文章が大好きな作家なので、亡くなったことがいまだにとても残念です。私は昭和30年代にはまだ生まれてなかったし、少年だったこともないけれど(女なので…

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作者:殿山 泰司レビュー: 三文役者の無責任放言録 (ちくま文庫) (文庫) 昭和軽薄体の元祖なんでしょうか(?_?)とっても面白いです。 更に詳細を見る

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作者:杉浦 日向子レビュー: 江戸へようこそ (ちくま文庫) (文庫) やや学術的な「歴史好き」でもなく、「時代劇好き」でもない普通の人に、自然でありのままの「江戸人」の姿を伝えたい、というような狙いで書かれたエッセイ。吉原、春画、戯作、粋について…

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作者:藤原 和博レビュー: 味方をふやす技術―[よのなか]の歩き方〈3〉 ちくま文庫 (文庫) コンセンサスや調和が重視された時代には、時に個人の主張を抑制しなければならないことがあったと思います。こうして自分を抑制する代わりに敵を作らないことが許さ…

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作者:久生 十蘭レビュー: 怪奇探偵小説傑作選〈3〉久生十蘭集―ハムレット (ちくま文庫) (文庫) 日本の誇る最高の小説家のひとり、久生十蘭の作品がひじょうに入手しにくくなっているようで、悲しむべき状況と思います。そんな中で、手に入る数少ない本の一…

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作者:レビュー: 乱歩の幻影 (ちくま文庫) (文庫) 乱歩はほぼ伝説化している。その作品世界とオーバーラップする作家なんて、乱歩以外にはいないのではないか。彼の活躍していた時代の影響もあるだろうが、彼はその世界を体現した作家であった。ぼくは、さ…

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作者:山内 昶レビュー: ジッドの秘められた愛と性 (ちくま新書) (新書) たいそう興味深い本です。ひとりフランス文学に関心のある方々のみならず、同性愛、セクソロジー、ジェンダー研究、女性学、男性学、等々およそ人間に関する万事に興味のある人々全員…

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作者:小酒井 不木レビュー: 小酒井不木集―恋愛曲線 (ちくま文庫―怪奇探偵小説名作選) (文庫) 今から十七、八年前にもなろうか、創元社の「日本探偵小説全集」で「痴人の復讐」「恋愛曲線」他の不木作品に始めて接した時の衝撃は未だ忘れ得ぬ。医学者として…

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作者:レビュー: 原典訳 マハーバーラタ〈7〉第7巻 (ちくま学芸文庫) (文庫) 古代インドの大叙事詩『マハーバーラタ』が、ついに上村勝彦氏の優れた翻訳で読めるようになりました。 複雑な構成と様々な挿話や伝説の組み込まれた此の大作は、出来れば時間の…

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作者:内田 百けんレビュー: まあだかい―内田百けん集成〈10〉 ちくま文庫 (文庫) 黒澤明監督の遺作となった「まあだだよ」の元になるのがこの本です。 かつての教え子達に還暦を祝ってもらってもまだまだ死にそうにない百先生、未だか未だかで「まあだか…

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作者:江川 晴レビュー: 医療少年院物語―法務教官という名の看護婦 (ちくま文庫) (文庫) まだコトバもままならないながらも反抗期の息子を前に、たびたび声を荒げ、自己嫌悪に陥る毎日。夜、ぐずり暴れてようやく寝付いた息子の隣に転がって読み続けた本書…

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作者:大槻 義彦レビュー: UFO解明マニュアル (ちくまプリマーブックス) (単行本) 本書の最後で、科学的事実や根拠という裏付けのない「夢やロマン」はあり得ないと著者は語っている。この地球に異星人が現れたり、謎の飛行物体を目撃したりと宇宙に対して…

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作者:別役 実レビュー: ことわざ悪魔の辞典 (ちくま文庫) (文庫) この本は新編悪魔の辞典と一緒に買ったのですが悪魔の辞典ほど鋭くは批評していないので、ビアスほどの毒舌を期待している人には少し物足りないと思います。 更に詳細を見る

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作者:多久 弘一レビュー: 漢文楽話 (ちくま文庫) (文庫) 著者は漢文の先生であり代々木ゼミナールの校長でもある。戦前から戦後にかけて中国に在住し、その間得た深い知識と興味深い体験が、漢字と漢文にまつわるエピソード集である本書を非常に面白いもの…

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作者:石山 いく夫レビュー: 法医学への招待 (ちくまライブラリー) (単行本) 実際にあった事件を使用しての説明は特にわかり易い。文体も難解すぎずわかりやすくてよい。まさに死体学入門に相応しい作品。ただもう少し、専門用語の説明がほしかった。 更に…

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作者:レビュー: 乱歩の選んだベスト・ホラー (ちくま文庫) (文庫) 好きな作家が影響を受けた作品は,なぜか無性に読みたくなります。そしてそれはたいてい当たりが多いです。きっと,趣味が似てるんでしょうね。この本は,そんな欲望を十分満足させてくれ…

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作者:E. ケストナーレビュー: ケストナーの「ほらふき男爵」 (ちくま文庫) (文庫) 文庫にしては高い本ですが、その価値はあります。「ほらふき男爵」「ドン・キホーテ」「シルダの町の人びと」「オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」「ガリバー旅行記」…

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作者:山内 昌之レビュー: イスラームと世界史 (ちくま新書) (新書) 新書で232ページですがトピックが多くしかも面白い。イスラームから丸山真男、レーニンから宮崎市定と博覧強記とともに本を読む面白さを伝えてくれます。もちろん歴史を知る面白さも。…

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作者:有元 葉子レビュー: イタリア 田舎暮らし (ちくま文庫) (文庫) おそらくプロの手になるカラー写真が多く掲載されていますが、料理や素材のものが中心で、ちょっと残念です。私としては、スナップ写真でもいいので、著者が入ったイタリアの風景や生活…

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作者:橋爪 大三郎レビュー: 「心」はあるのか―シリーズ・人間学〈1〉 (ちくま新書) (新書) 「心」を扱った本が売れているそうだ。けれど、「心」ブームなどどうでも良い人もいるだろう。しかし、社会学者が語る「ことばは何故通じるのか」といった「心」の…

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作者:橋本 治レビュー: これも男の生きる道 (ちくま文庫) (文庫) 今年の五月。ぼくは五月病でした。リストラ、というわけではないのですが、好きな仕事、気に入っていた職場を異動させられたのでした。それ以来、「ストレスを感じる」「毎日が楽しくない。…

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作者:中山 信如レビュー: 古本屋おやじ―観た、読んだ、書いた (ちくま文庫) (文庫) 著者は映画関係を中心に扱う古本屋のおやじ。日記が入っていたり、映画中心の話だったり、古本中心の話だったりと、まとまりがない。映画をある程度知らないと興味の湧き…

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作者:ドミニク チータムレビュー: リチューニング英語習得法 (ちくま新書) (新書) 「英語習得法」と、名づけておられるし、表紙にも「外国語習得のための強力な武器を獲得」と書かれているくらいなので、本来は、新しく効果的な、英語の勉強法について書か…