Book Review!


作者:長尾 龍一


レビュー: 憲法問題入門 (ちくま新書) (新書)

法哲学長尾龍一による憲法入門。全体の1/3くらいが一般的な憲法入門の内容ですが、残りは戦後憲法学の一部に
存在した「ある種の」傾向に対する痛烈な批判がこめられています。
国家の公共性の見直しや、伝統と民主主義の関係、立法者と後世の国民の関係など
憲法学者の視点とは違った興味深い分析があります。
引用されている文献や資料も広く紹介されているものとは違ったものが多く
違った角度から憲法をみることができると思います。文章も平易で読みやすいのですが、戦後憲法学の一部の傾向に対する批判が強烈で
一般読者(特に読者が保守的な傾向を持つ場合)に極端な誤解を生んだりする
恐れがあるので、憲法をある程度学んだ人には薦められても
憲法に興味をもつ一般読者には??!
?まり薦められませんけれども。
(ちなみに本文中に同著者『レヴァイアサン』講談社学術文庫のまえがきに対する
読者からの批判(誤解)に若干の補足をしていたりも…)


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