2015-01-01から1年間の記事一覧

Book Review!

作者:石川 文康レビュー: カントはこう考えた―人はなぜ「なぜ」と問うのか (単行本) 純粋理性批判は難解な哲学書の中でも取分け難解と言われている。確かに、一人で登るにはカント哲学は専門用語と翻訳の壁が高すぎる。しかし、著者はその難解さを平明な一…

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作者:泉 優二レビュー: グランプリ・サーカス (ちくま文庫) (文庫) この本は1989年に発売された単行本『グランプリ・サーカス』を1993年に文庫本にしたものです。1989年から1993年の間には世界グランプリに大変革が起きました。四輪のF1を牛耳るバーニー・…

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作者:堀田 善衛レビュー: 天上大風―全同時代評1986年‐1998年 (単行本) この本は、ちくまに連載された全同時代批評をまとめたものです。私は、連載時から読んでいました。視点の鋭さと、時代を見つめる目の確かさに毎月、感動していました。今、ちくま文庫…

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作者:ユベール リーヴズレビュー: 世界でいちばん美しい物語―「宇宙・生命・人類」 (単行本) 宇宙の始まりや未来の話、あるいは生物発生の秘密の話を聞けば聞くほど、哲学的なことを考えてしまうのはなぜだろう。確かに「始めに光りありき」という聖書と「…

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作者:山崎 浩一レビュー: 退屈なパラダイス (ちくま文庫) (文庫) 題名は「退屈なパラダイス」だが、ちっとも退屈ではない。都市、刺激/退屈、子供、消費、TV、政治、知性、世代をテーマに、コミック、エッセイ、小説など様々な形式を使って書かれたこの本…

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作者:ジャック バローレビュー: 食の文化史―生体‐民族学的素描 (単行本) ナチの収容所の生き残りのせいもあるのか、社会生物学嫌いで文化至上主義者で文章はとりとめがなくて読みにくく羅列的。 更に詳細を見る

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作者:山口 昌伴レビュー: 和風探索―にっぽん道具考 (単行本) 鯉のぼりは毎朝あげて夜ごとにしまうものだったのか!風呂敷は書類包みとして鞄よりこんなに優れているのか!蚊帳は蚊とは関わりなく季節の節目で吊り初め吊り別れるものだったのか!先日うちの…

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作者:フックス 真理子レビュー: ニッポンの公文、ドイツの教育に出会う (単行本) 日本が抱える公教育の問題点の先輩はドイツだったのか・・ということが筆者の実体験をもとに具体的に読みやすく語られている。ただ両国の違いや共通点を興味本位に並べ立て…

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作者:ブレア・ジンガーレビュー: セールスドッグ (金持ち父さんのアドバイザーシリーズ) (単行本) 金持ち父さんシリーズ(の装丁)で、ロバート・キヨサキの序文付きですが、中身はつまらなかったです。営業マンの性格を犬(ピットブルやチワワなど)に見…

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作者:こぐれ ひでこレビュー: こぐれひでこの味はどーかな? おいしい画帳2 (単行本(ソフトカバー)) イラストを見て、文を読んだら、すっかりこぐれさんちで、ご馳走になった気分です。作り方は、いたってかんたんって言ってくれたから、作ってみよう・・…

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作者:オギュスタン ベルクレビュー: 風土の日本―自然と文化の通態 (??! ?くま学芸文庫) (文庫) こういう本が、これからも読まれるような、そんな幸福な時代を期待したい。私たちの自明のものとしての景観を、学者がその頭脳と歴史的・文化的文脈でもって必…

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作者:森津 純子レビュー: 絶対しあわせに死ぬ方法―ホスピス医の生きかたアドバイス (単行本) 病気や死ぬことに対し,こんなに優しく,前向きな考え方があるのかと,驚きと感動の一冊でした。他のハウツー本は,結構その作者のいいところだけを紹介するとい…

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作者:レビュー: 老いの生きかた (ちくま文庫) (文庫) 老年に対する作家・思想家の短文があつめられている。文庫本ながら、かなり内容は充実している。キケロの著作には老年・友情に対する短編がある。キケロは老年賛美傾向がある。しかし、欧米・国内のさ…

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作者:ジョージ・サミュエル クレイソンレビュー: バビロンの大富豪の教え (単行本) サクセスストーリーを描いた小説は、たいてい1章につき一つか二つの法則が提示され、それを主人公が人生に応用していくというものだと思います。この本は1章完結型で、最…

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作者:ヒューバート・L. ドレイファスレビュー: ミシェル・フーコー―構造主義と解釈学を超えて (単行本) ラビノウは世界中に五万といるフーコー研究者の中でも最も重要な人物の一人である.この本は,数あるフーコー解説書の中でも最も明解かつ実用的なもの…

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作者:穂村 弘レビュー: 絶叫委員会 (単行本) 平積みされているのを、表紙に惹かれて、何となく手にとって立ち読み。このときは、本の中ほどを読みました。お金もなくて、いったん戻したのですが、どうにも気になって、もう少し立ち読み。このときは、本の…

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作者:ティム コールトンレビュー: ハンズ・オンとこれからの博物館―インタラクティブ系博物館・科学館に学ぶ理念と経営 (単行本) ハンズオンだけでなくいろいろなことが書いてある。とくにマネジメントの事などは面白い。博物館について何冊か読んでみたが…

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作者:鈴木 理生レビュー: お世継ぎのつくりかた―大奥から長屋まで 江戸の性と統治システム (単行本) タイトルだけみればキワモノのように思えなくもないけれど、内容はすばらしいの一語。将軍や武家(一部町民も扱う)の代替わりに着目して、江戸時代が260…

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作者:阿部 謹也レビュー: 中世賤民の宇宙―ヨーロッパ原点への旅 (単行本) 中世ヨーロッパの人びとが、何を考えどう感じていたか、学ばなければ本当に分からないものだと思った。 ずうっと仕事(事柄)自体が時間を決める生活をしていた人びとにとって、機…

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作者:群 ようこレビュー: ビーの話 (単行本) 猫を飼ってる人はきっと「そうそう」って思うだろうし、猫好きじゃない人でも「猫ってこんな一面もあるんだ」って思わせる。とってもほのぼのしてて楽しいエッセイです。飼い猫にも道端にいるのら猫にも、彼ら…

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作者:つげ 義春レビュー: つげ義春全集 (1) (単行本) 貸本時代の漫画を収録している。時代状況を反映しているのか、つぎ義春のキャラクターゆえか、お金のない人の話が異様に多い。『おばけ煙突』という小品は、煙突掃除人の貧しいおやじが主人公であり、…

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作者:リリアン フェダマンレビュー: レスビアンの歴史 (単行本) ホモセクシャルに関する資料を読んだのは今回が初めてだったけど、ほうほうと鳴いてしまった。アメリカにおけるレズビアン受容・認識・解放運動が、性心理学など「レズビアン」なる語のなか…

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作者:色川 大吉レビュー: シルクロード悠遊 (ちくま文庫) (文庫) シルクロード。何とも言えないあこがれの響き。1988年出版のこの本では、アナトリア高原、イラン、中央アジア、アフガニスタン、パキスタン・インド、中国、ブータンの旅が書かれている。今…

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作者:竹下 節子レビュー: 聖女伝―自己を癒す力 (単行本) パリのマリアの続編のような本で、四人の聖女(一名は?)についての伝記です。テレーズのように小さい頃から、聖女志願で、ひたすらに天をめざして生きたものもいる。聖と俗の間で、悪魔のこえ?を…

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作者:稲増 龍夫レビュー: パンドラのメディア―テレビは時代をどう変えたのか (単行本) 著者の稲増先生の講義を聴けば、この本の内容の本当の意味がわかると思います。凡人にはただ時代によってメディア社会の現状がテレビ社会から、インターネット社会に移…

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作者:片岡 義男レビュー: 日本語で生きるとは (単行本) -¬èa- ̄象'¢¡a¨è±èa ̄-¬§ ̄-¬èaä¿-1£è…

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作者:スティーヴ エリクソンレビュー: ドリーム―エリクソンと日本作家が語る文学の未来 (単行本) 村上龍、島田雅彦etc、日本人作家がエリクソンを巡り、エリクソンの世界に入り込んだ思いなどがエッセイ(評論?)として真摯に綴られているが、私を含む読者…

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作者:ポール・ヴェーヌレビュー: フーコー その人その思想 (単行本) エコール・ノルマル時代からの友人であり、後年はコレージュ・ド・フランスの同僚であった歴史学者ヴェーヌによる誠実な本です。同時代人からのさまざまな誤解や批判のあったフーコーの…

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作者:イーフー トゥアンレビュー: 空間の経験―身体から都市へ (ちくま学芸文庫) (文庫) イーフー・トゥアンの中で最も読まれるべき著作。『トポフィリア』よりも理論的枠組が明解であり、こちらのほうがお勧め。<場所=愛着>と<空間=自由>の二分法に…

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作者:レオン ポリアコフレビュー: 反ユダヤ主義の歴史〈3〉ヴォルテールからヴァーグナーまで (単行本) サブタイトルにもありますように、本書は幅広い思想家を扱っています。その全てについてに正しい評価はできないので、多少は知っているヘーゲルに言及…