Book Review!


作者:山口 昌伴

レビュー: 和風探索―にっぽん道具考 (単行本)

鯉のぼりは毎朝あげて夜ごとにしまうものだったのか!風呂敷は書類包みとして鞄よりこんなに優れているのか!蚊帳は蚊とは関わりなく季節の節目で吊り初め吊り別れるものだったのか!先日うちの座布団の皮が中央から擦り切れてしまったが、それを見て本書に掲げられた「天児(這子)型座布団」の姿を深く理解した。本当に「和風」の暮らしをしている人にとっては常識でしかないことがこんなに新鮮に読めるなんて、決して喜ばしいことではないのだろう。しかし少なくともかつて我々の祖先は生活の隅々に至るまで日本文化というものを完成させていたのだと知ることには大きな意味があると思う。使い手が文化を失ったために桐箪笥本来の文化が生産から揺らいでいる様子などを読むと、本書は懐古というより未来へ??!
?啓発書なのだと強く感じる。独居世帯主から主婦、デザイナー、プロデューサー職など人生と物事の構築運営を業とする全ての人にお薦め。有益な指針となり得る一冊です。


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