2015-10-01から1ヶ月間の記事一覧

Book Review!

作者:夏目 房之介レビュー: 不肖の孫 (単行本) タイトルと表紙から、半藤一利の「漱石先生ぞなもし」あたりを連想すると、拍子抜けするかもしれません。本書はあくまでもタイトル通り、「(漱石の)不肖の孫」つまり著者自身を中心に据えて書かれた本です…

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作者:ひかわ 玲子レビュー: キャメロットの鷹―アーサー王宮廷物語〈1〉 (単行本) 先にレビューを書かれた方と重複するが、どうかご容赦を。 日本を代表する女性ファンタジー作家、全三作の第一作。 グィネヴィア(本作中ではギネヴィア)王妃に仕える少女…

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作者:宮迫 千鶴レビュー: 美しい庭のように老いる―私の憧れの老女たち (単行本) 「老い」は、誰にでもいつか訪れるもの。どのように生きてきたか、その結果が現れる日々でもあります。ほとんどの人にとって、それは暗い日々の始まりですが、宮迫さんが出会…

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作者:中村 真一郎レビュー: 小さな噴水の思い出 (単行本) 最近、古書店で入手した。中村さんのエッセイは実に面白い。読んで勉強になるし、楽しい。読書や文学に関して語らせたらこの方の右に出る人はいないと思う。生きていて欲しかった人である。文学離…

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作者:西 研レビュー: 社会学にできること (ちくまプリマー新書) (新書) 勉強している人は多いのに、素人目には、なかなか経済学のようにメジャーになれない「社会学」の啓蒙書。対談しているお2人も、19世紀に端を発する社会学のさまざまな論者の言説をき…

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作者:井上 ひさしレビュー: 新釈 遠野物語 (新潮文庫) (文庫) 本など読まない子供でしたが、高校生の頃なにげなく手に取った昔話のような装丁のこの本は、私を一気に小説好きにしてしまいました。大学を休学して国立療養所でアルバイトしている主人公が、…

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作者:叶内 拓哉レビュー: 野鳥写真マニュアル (フィールドフォトテクニック) (単行本) 野鳥好きの方で写真を撮りたくてうずうずしていても、野鳥写真は敷居が高くて(機材も高い?)仲々始めにくいと思います。(私もその一人です)野鳥に関する本や写真撮…

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作者:土橋 正レビュー: 文具の流儀: ロングセラーとなりえた哲学 (単行本(ソフトカバー)) 日常生活に欠かせない文具について記述されている。文具のロングセラーになっている秘密や歴史についてわかりやすく説明されている。その説明から、何気なしだが…

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作者:トーベ ヤンソンレビュー: ふしぎなごっこ遊び (ムーミン・コミックス) (単行本) 何年か前にフィンランド人の知人にトーベ・ヤンソンの本を貸してもらい、大好きになりました。日本では小さい頃、アニメで少し見たくらいでしたが、原作のムーミンキャ…

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作者:臼井 吉見レビュー: 安曇野〈第1部〉 (ちくま文庫) (文庫) 新宿・中村屋の創始者、相馬愛蔵・黒光夫妻を中心に、信州安曇野を拠点に若い人びとの間に結ばれた“絆”を様々な面から描いている。作家・木下尚江、彫刻家・荻原守衛、インドの亡命志士ラス…

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作者:レビュー: ココロが軽くなるエクササイズ (単行本) ココロの病気を患っているヒトはついつい治療を焦ってしまう。さるきちもよく心療内科の先生に注意されます。「先生。さるきちはちっとも良くなりません。このまま治らないんじゃないでしょうか(泣…

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作者:ルドルフ シュタイナーレビュー: 内面への旅 (シュタイナーコレクション) (単行本) シュタイナーの著作は何冊も読んできましたが、この本は今まで読んだシュタイナーの著作の中で特に精神面のあり方について書かれています。シュタイナーの著作は単に…

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作者:空海レビュー: 弘法大師空海全集〈第2巻〉思想篇2 秘蔵宝鑰は普通、十住心論(本全集の巻1)のダイジェスト版と言われているが、読んでみると、必ずしもそうではなさそうである。余談だが、多くの仏者は頭を剃っても欲は剃っていない、とか、誦すだ…

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作者:石橋 宗吉レビュー: 一本釣り渡世 (海と魚の本) (単行本) 明治生まれの述者(石橋氏の口述、加藤氏の筆記なので、話の出所である石橋氏をこう呼びます)による、大正期・昭和期の沿岸漁業模様です。述者の先祖の足跡から、魚・漁場・潮・漁法などなど…

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作者:高橋 一雄レビュー: つまずき克服!数学学習法 (ちくまプリマー新書) (単行本) 語りかける数学という本を出した高橋一雄さんの本。これまでの指導経験から数学を学ぶ上でどういった事に注意するべきかを書いています。中学生、高校生が読むと特に為に…

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作者:中島 敦レビュー: 中島敦全集〈1〉 (ちくま文庫) (文庫) 端正な中国もの ― 。中島敦の作品といえば一般的にそんなイメージだろうか。確かに彼の中国ものは典雅にしてつよく深い。他の人気文庫(作品集)もそれらを中心に収めている。 だが、それだけ…

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作者:池田 光雅レビュー: スイス山岳列車の旅 (単行本) 今度、4年ぶりに、スイスの鉄道乗車をメインにした旅行を計画してます。早速、最新の情報を得るべくWebや本を探し始めました。9月に発行されたばかりのこの本を店頭で見つけました。前回、行った事…

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作者:レビュー: 太宰治賞〈2007〉 (単行本) 受賞作瀬川深「mit Tuba」最終候補作芦崎凪「首輪」橙貴生「月がゆがんでる」富久一博「天の河原」と、読み応えがある。 小説が読者にあらすじを伝えるためだけのものだとすれば、受賞作は面白くないが、言葉の…

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作者:岩崎 正洋レビュー: 政治発展と民主化の比較政治学 (単行本) 民主主義をめぐるさまざまな政治的変化を主題とした一冊。政治発展や民主化に関する先行研究がよくまとめられているため、教科書として使える。筆者の論文集であるため、概念や用語の整理…

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作者:中部 博レビュー: 流れる風は冷たいほうがいい (単行本) バイク雑誌の紀行文を見て中部博さんに興味を持ちました。文章の表現力の素晴らしさに感銘して、他の著書も読んでみたいと感じたことは今までありませんでした。感性が素晴らしいのでしょう。…

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作者:太宰 治レビュー: 太宰治全集〈7〉 (ちくま文庫) (文庫) いやはや、太宰で笑うとは思わなかった。お伽草子での浦島太郎と亀とのかけあいが絶品である。思わず笑わずにはいられない。その他、海の中の情景などは読めば目の前にその光景が広がってくる…

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作者:松田 道弘レビュー: ふたりで遊ぶ本 (松田道弘あそびの本 3) ボードゲームファンの僕にはとても大切な宝物です。古本屋でもなかなか見つからず、発見したときはガッツポーズをとりました。南伸坊氏のイラストがとても楽しくて可愛いです。 更に詳細を…

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作者:渡辺 克仁レビュー: カピバラ (単行本) (1)カピバラ写真群。これがすごい。同じカピバラ好きとして共感できる、和みポイントやツボがほぼ全て押さえられているように感じた。写真のセレクトに作者のカピバラへの愛情をすごく感じる。本物のカピバラを…

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作者:深沢 七郎レビュー: 深沢七郎集〈第3巻〉 (単行本) 『笛吹川』も『甲州子守唄』も深沢七郎の地元が舞台です。時は、前者が戦国時代、後者が大東亜戦争前後です。『笛吹川』:当作品をはじめて読んだ時は『楢山節考』をはじめて読んだ時とはまた違う驚…

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作者:大庭 かな子レビュー: 添乗員(ツアーコンダクター)さん大活躍 (にこにこブックス) (単行本) 現役添乗員がおもしろおかしく書いた 珍道中記。おもに海外の添乗のことに ついて書かれています。活字が比較的 多いのですが、難しい言葉もあまりつか って…

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作者:安河内 哲也レビュー: 大学受験受かる人の勉強法作戦 (単行本) 部活中心の生活で高3春まで過ごしてきた卓也はインターハイ終了後に受験を意識する。とてもよくあるお話しで共感がもてます。 大学選び、学習法、また夏休の過ごし方にいたる細かい点が…

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作者:トーベ ヤンソンレビュー: ムーミン谷のクリスマス (ムーミン・コミックス) (単行本) ムーミン・コミックス 第5巻では預言者が現れたり、ボタン集めがすきな、クロットユールが恋をしたり、これで4度目のトーべさんの弟のラルス・ヤンソンが描く「ム…

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作者:マシュー・S・オルソンレビュー: ストールポイント 企業はこうして失速する (単行本) 企業が失速するポイントなんて、大仰に調査したと書かれてあったとしても、所詮、「そんなものか」と思える要因。だもんで、「ビジネス書」として読むよりは「投資…

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作者:井波 律子レビュー: 読切り三国志 (ちくま文庫) (文庫) 1冊で三国志を読みきりたいという人にお勧め。薄めの本だが、しっかりと後漢末から晋の統一までをカバーしている。この本の良さは各章(正確には演義風で回なのだが)が基本的に1人の人物にタ…

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作者:坂口 菊恵レビュー: ナンパを科学する ヒトのふたつの性戦略 (単行本(ソフトカバー)) あっさりとした読み物本かと思いきや、ヒトの性行動に関する様々な実験なども紹介されており、専門度の高い内容となっている。著者はヒトの性行動を研究する心理…