Book Review!


作者:石橋 宗吉

レビュー: 一本釣り渡世 (海と魚の本) (単行本)

 明治生まれの述者(石橋氏の口述、加藤氏の筆記なので、話の出所である石橋氏をこう呼びます)による、大正期・昭和期の沿岸漁業模様です。述者の先祖の足跡から、魚・漁場・潮・漁法などなど、漁業に関する細密な話が白眉です。ときに、手漕ぎの小さな漁船で海の上から陸を眺めているような感覚さえ覚えました。 私は海無し県の人間で、それでも海が好きで、海釣りを趣味にしているので上のように感じるのかもしれません。でも、それを割り引いてもけっこうおもしろく読めるのではないでしょうか。
 また、行間から、大正・昭和期の漁村の民俗的情景も読みとれます。当時の漁村の歴史、民族的情景に興味のある方にもおもしろいと思います。 述者の母港は千葉県の勝浦市松部港です。今は改修が!進んで?!
??いぶんときれいになりましたが、古い堤防や船溜まりも残っており、水もきれいで、のんびりとしたいいところです。本書を読まれる方は一度お訪ねになることをあわせておすすめします。


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