2013-10-01から1ヶ月間の記事一覧

Book Review!

作者:レビュー: 陸橋殺人事件 (創元推理文庫) (文庫) 「ノックスの十戒」で有名な作者のアンチ・ミステリの傑作。タイトル通り陸橋の近くで男の死体が見つかり、近くで推理談義をしていた男達に若い女性が助けを求めて来るのだが...。本格ミステリの体裁を…

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作者:アーサー・コナン・ドイルレビュー: 回想のシャーロック・ホームズ【新訳版】 (創元推理文庫) (文庫) 第1巻シャーロック・ホームズの冒険を買い、よかったので2巻目も買いました。これでも日本シャーロック・ホームズクラブ会員の、一介のシャーロキ…

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作者:F.W.クロフツレビュー: フレンチ警部と紫色の鎌 (創元推理文庫 106-7) (文庫) フレンチ警部の執念と緻密な捜査は従来と変わりはありません。ところがこの作品は最初からあらかじめ犯人がわかっているのです。なのでじわじわと犯人を追い詰めていくの…

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作者:ビル・S. バリンジャーレビュー: 煙で描いた肖像画 (創元推理文庫) (文庫) ミステリーファンを自称する人なら絶対に読んでおかないといけないのがバリンジャーだと思います。結局誰が死んだの?という「歯と爪」も凄かったけど、また全然違う意味で、…

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作者:イアン・フレミングレビュー: 007/ダイヤモンドは永遠に (創元推理文庫 138-3) (文庫) 同名映画の原作ということになっているが、中身はまったく別物なので、原案というべき。ストーリーが違うのはもちろん、秘密兵器も出てこない。もっぱら拳銃(ベ…

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作者:ミネット・ウォルターズレビュー: 蛇の形 (創元推理文庫) (文庫) 私がウォルターズが好きな一番の理由はこの人が安易なシリーズ化に走らないことです。今までの個々の作品で登場した探偵役とその助手役の人々はすべて大変魅力的で、もし引き続いて登…

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作者:アイザック アシモフレビュー: ユニオン・クラブ綺談 (創元推理文庫) (文庫) ユニオン・クラブにいつもの三人が集まり話しに花を咲かせていると、安楽椅子でうたた寝をしていたように見えた老人が目を覚まして自分の手柄話をはじめだす、といった趣向…

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作者:エラリー・クイーンレビュー: オランダ靴の謎【新版】 (創元推理文庫) (文庫) 作者国名シリーズの最高傑作の新版。エラリーは「ローマ帽子の謎」でシルクハットからすべてを解き明かしているが、本書では一足の靴に着目し、ロジックに次ぐロジックに…

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作者:F.W.クロフツレビュー: 蜘蛛と蝿 (創元推理文庫 M ク 3-24) (文庫) クロフツの作品では珍しく最後の最後に犯行は明かされません。最後前で回想として一切合財が出てきます。なので展開が少し違います。でもそれでも違和感なく読むことができました。…

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作者:乾 ルカレビュー: メグル (単行本) 本書は、『夏光』によって注目を浴びた著者による、ミステリー風味の短編集。大学でアルバイトを斡旋された学生が体験する少し不思議な体験を描く5話を収録します。父親が入院する病院の売店でたな卸しをする女子…

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作者:三橋 重男レビュー: 天才秀才数学問題集〈上〉 (単行本) 書名から数学オリンピックのような問題が出てるのかと思ったら,実は単なるパズル集だった(多少学校数学っぽい問題もある).問題の難易度もそれほど高くはない.まえがきによると,この書名…

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作者:ジュリアン・バーンズレビュー: イングランド・イングランド (海外文学セレクション) (単行本(ソフトカバー)) 記憶も歴史も不確かなものだ。真実ではない。イングランドのレプリカをワイト島にテーマパークとして作ってしまう話ということで、パロ…

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作者:ヘンリ・セシルレビュー: メルトン先生の犯罪学演習 (創元推理文庫 145-1) (文庫) 長年アメリカの大学で講義し、法理論とローマ法の権威として知られるメルトン先生、縁あって生まれ故郷のイギリスの大学にくることとなる。イギリスに到着早々、駅で…

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作者:レビュー: 新編東洋史辞典 (単行本) 今ではインターネットも普及して、何か調べたいことがあったら検索すれば割と容易に知ることができます。しかしピンポイントな専門用語となると、信憑性の問題もありますし、確実にヒットするとは限りません。特に…

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作者:E.D.ビガーズレビュー: チャーリー・チャンの活躍 (創元推理文庫 122-1) (文庫) 世界一周観光旅行をしているアメリカ人の団体のある富豪の老人がロンドンで絞殺されます。ロンドン警視庁のダフ警部が捜査にあたりますが犠牲者は次々と増えていき、や…

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作者:カトリーヌ・アルレーレビュー: 二千万ドルと鰯一匹 (創元推理文庫 140-6) (文庫) 悪女書き、カトリーヌ・アルレーの筆は、この作品でも冴えまくっている。どうやら、私は、カトリーヌ・アルレーの筆に、すっかりハマってしまったらしい。亡き夫の残…

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作者:セバスチアン・ジャプリゾレビュー: 寝台車の殺人者 (創元推理文庫 (142-2)) (文庫) 「シンデレラの罠」等で有名な鬼才S.ジャプリゾのデビュー作。題名の通り寝台車に乗り合わせた人々が次々に殺されるのだが、残念ながらストーリー展開、犯人共に平…

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作者:カトリーヌ・アルレーレビュー: わらの女 (創元推理文庫 M ア 5-1) (文庫) ストーリーも結末も知った上で、その評判に惹かれ、遅ればせながらこの正月休みに通読した。う〜ん、やっぱり名作の誉れあるだけあって、巧いなあ!今じゃサスペンス・ドラマ…

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作者:前野 昌弘レビュー: よくわかる量子力学 (単行本) 私は理工系出身ではないが、よく量子力学の本を買いあさり、毎日量子力学の本を読んだり計算したりしています。そんな私がここ数年で買った本の中で一番熱い本だと思います。途中式も省くことなく細…

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作者:エラリー・クイーンレビュー: ミニ・ミステリ傑作選 (創元推理文庫 104-24) (文庫) 小説を評価するのに、"便利な"という言い方は適当でないかもしれない。だが、本当に便利なのだから仕方がない。最長でも10ページ、最短は2ページ、という文字通りの…

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作者:いしい ひさいちレビュー: となりの山田くん (7) (文庫) コースケさんの市民講座「推理小説講座」をフジワラ先生が受講していたんですね。そういえば「女(わたし)には向かない職業」でも市民講座が推理作家への原点だったように描かれてました。 こ…

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作者:コナン ドイルレビュー: クルンバーの謎―ドイル傑作集〈3〉 (創元推理文庫) (文庫) 北原尚彦・西崎憲編の「ドイル傑作集」の第3弾。前冊の「北極星号の船長」が2004年だから、随分と間があいてしまったが、どうしたのだろう。 「競売ナンバー二四九…

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作者:朝野熙彦レビュー: アンケート調査入門 (単行本(ソフトカバー)) 題名に惹かれて買ってみたのだが、入門という割には内容が濃く、そんなに簡単な内容ではないが、実務を学ぶには程よい程度だと思う。実務者が分担で書いていて、結構実用的な感じがす…

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作者:S.J. ローザンレビュー: 春を待つ谷間で (創元推理文庫) (文庫) リディア&ビルシリーズの翻訳六作目です。今回の語り手はビル、前回までのシリーズ舞台であるNYを離れて彼の安息地であるアップステートニューヨークが舞台となります。今回の作品は…

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作者:セバスチアン・ジャプリゾレビュー: シンデレラの罠 (創元推理文庫 142-1) (文庫) 否が応でも興味をそそるその解説と作品自体の評価の高さに手に取った。確かに本作が出された1964年のミステリ界にとっては異色であり、衝撃的な作品だったに違いない…

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作者:レビュー: ミステリーズ!VOL.13 (単行本(ソフトカバー)) 第2回ミステリーズ!新人賞受賞作の発表。そして新連載4本と新しい作品が次々と読めるのがとても嬉しい。この中から名作と呼ばれるものが出てくるかもしれないと思うと、どきどきしてしま…

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作者:ジル マゴーンレビュー: 牧師館の死 (創元推理文庫) (文庫) 隔絶された村での牧師館の殺人というシナリオは古典を彷彿させるものがあり、非常にゾクゾクトするものがあった。しかしながら容疑者の数があまりに少なすぎて、半分も読まないうちに犯人も…

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作者:A.E.W. メースンレビュー: サハラに舞う羽根 (創元推理文庫) (文庫) あとがきによると、本書は行動よりも心理に重点が置かれた話だという。その点に嘘偽りはない。だが読んでみて、こりゃないよと思った。戦争に行くのを拒否して、臆病者の烙印を押さ…

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作者:A.A.ミルンレビュー: 赤い館の秘密 (創元推理文庫 (116-1)) (文庫) 『クマのプーさん』の作者による本格ミステリ。本作では、読者に探偵と同じ手がかりが与えられるだけでなく、その時々の探偵の思考過程も余すことなく開示されるというフェアさが徹…

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作者:アントニイ・バークリーレビュー: ジャンピング・ジェニイ (創元推理文庫) (文庫) これには、まいった! 通常の犯人探しの探偵小説とは全く違うミステリ小説。ユーモアとウィットの利いたコメディを見ているみたいな趣って言ってもいいかな。本当に面…