Book Review!


作者:コナン ドイル


レビュー: クルンバーの謎―ドイル傑作集〈3〉 (創元推理文庫) (文庫)

 北原尚彦・西崎憲編の「ドイル傑作集」の第3弾。前冊の「北極星号の船長」が2004年だから、随分と間があいてしまったが、どうしたのだろう。

 「競売ナンバー二四九」「トトの指輪」「血の石の秘儀」(『ドイル傑作選』'T・'U、翔泳社から転載)、「茶色い手」(『怪奇小説の世紀』2巻、国書刊行会から転載)、「クルンバーの謎」(新訳)の5篇が収められている。ちなみに「クルンバーの謎」も、これまで何回か訳されている。

 収録作品に目新しいものがないのが残念だが、いずれも物語としての出来は上々。軽妙なオチのあるもの、不気味な雰囲気に満ちたもの、不思議な結末と、ストーリーテラーたるドイルを存分に楽しむことが出来る。

 今回はエジプトやインドから、危険な何かが!
イギリス(orヨーロッパ)にやってくるという話が多い。19世紀末イギリスのゼノフォビア(外国恐怖)を反映しており、興味深かった。


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