2015-03-01から1ヶ月間の記事一覧

Book Review!

作者:ピーター・キャメロンレビュー: ママがプールを洗う日 (単行本) 初めてこの本を読んだのは、今から20年前の1990年のこと。それ以来、ふとしたタイミングで読み返している作品です。不思議と古さより、読むたびに新鮮さを感じる本です。お勧めは、最初…

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作者:水木 しげるレビュー: ゲゲゲの鬼太郎 (2) (ちくま文庫) (文庫) 第一部「猫仙人」「幽霊電車」「鏡爺」「まくら返し」、第二部「ぬらりひょん」「磯女」「妖花」「人食い島」、第三部「妖怪軍団」「死神」「あかなめ」「ダイダラボッチ」、第四部「猫…

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作者:レビュー: トマソン大図鑑〈空の巻〉 (ちくま文庫) (文庫) 世界初にして唯一の「トマソン」写真集の下巻です。「トマソン」の中では比較的新しい概念のものが収録されています。1物件につき、写真1ページ、文章(主に赤瀬川氏と松田氏の対談)1ペ…

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作者:中里 介山レビュー: 大菩薩峠〈12〉 (ちくま文庫) (文庫) by 小宮山隆央映画にもなっています。大菩薩峠 (1960年 / 日本 )監督: 市川雷蔵 三隅研次出演: 市川雷蔵 本郷功次郎 中村玉緒 山本富士子『大菩薩峠』は、中里介山作の約30年にもわたり書…

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作者:溥儀レビュー: わが半生―「満州国」皇帝の自伝〈上〉 (ちくま文庫) (文庫) 溥儀が中国共産党の下執筆した文章を、「人民文学」の編集者・李文逹なる執筆者がまとめたもの。李文逹は後年、経済開放下の中国で当書の著作権を要求をしている。この辺りを…

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作者:石山 修武レビュー: 笑う住宅 (ちくま文庫) (文庫) 文章から、生きている情熱が伝わってきた。とても、熱い想いを感じる。仕事に対してもこのように関わりたかったんじゃないかと自省させられた。素直にうらやましいと思った。 住宅は人生で一番高い…

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作者:トマス ピンチョンレビュー: スロー・ラーナー (ちくま文庫) (文庫) ピンチョンの他の作品は、様々な理論・知識が豊富かつ確実でないと、充分に楽しめないのではないかと感じますが、この短編集はそんな危惧は一切不要!です。どの作品もファンタジー…

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作者:水木 しげるレビュー: 縄文少年ヨギ (ちくま文庫) (文庫) 「黒い石」「大鴉」「花の精」「大襲来」「迷子」「セノ神」「カミサマの石」「争いのつぼ」「反省のつぼ」「神かくし」「鯤」「カラス」「空中大レース」「大飢饉」「屍鬼」「食人族」「合唱…

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作者:山田 かまちレビュー: 山田かまちのノート〈上〉 (ちくま文庫) (文庫) 最初20歳ぐらいのときに読んだときはいまひとつピンとこなかった。かまちの言葉が表現しようとする感情の幾つか(例えば愛や憎しみの本質)を当時の自分がまだ理解できておらず、…

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作者:中島 義道レビュー: 哲学者とは何か (ちくま文庫) (文庫) 著者の中島義道氏については、数年前に『哲学の教科書』(講談社学術文庫)を書店で拾い読みして以来、永井均氏や野家啓一氏らと並んで、「要チェック哲学者」の一人であった。今回本書に大森…

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作者:磯淵 猛レビュー: 紅茶の国 紅茶の旅 (ちくま文庫) (文庫) 紅茶が好きで、どんな国で作られているのだろう?と思ったことのある人には、絶対にお薦めです。スリランカ(セイロン)やインドは、ある程度の情報があると思うのですが、この本の特徴は、世…

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作者:森 鴎外レビュー: 森鴎外全集〈4〉雁 阿部一族 (ちくま文庫) (文庫) 正直言って、歴史ものはちょっときつかった。教養の足りなさを痛感した。でも、「雁」なんかは読みやすくて面白かった。明治の青年のままならぬ恋を描いて、漱石が書いたかと思うほ…

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作者:三島 由紀夫レビュー: 反貞女大学 (ちくま文庫) (文庫) 女嫌い、と言うより女性恐怖症の私にとってバイブルのような本です。女性について日頃思っている私の思いを三島さんが代弁してくれている様で、痛快なカタルシスを感じます。私ももちろんですが…

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作者:松田 道雄レビュー: 恋愛なんかやめておけ (朝日文庫) (文庫) 今の世の中、恋愛しなければ人間じゃない!みたいなノリがあり、もう幼稚園で好きだきらいだつきあうつきあわないって子供がいうほどです。そんな中、過去の恋愛にまつわる思想や男女の歴…

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作者:小松 真一miss更に詳細を見る

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作者:小林 信彦レビュー: 一少年の観た「聖戦」 (ちくま文庫) (文庫) 戦時中の生活と心境を映画に託しながら書く貴重な回想録。徹底して子供の眼から観た戦争とその生活が活写され、様々に回想される映画とともに興味深く読むことができる。青年や大人の回…

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作者:真樹 日佐夫レビュー: 兄貴―梶原一騎の夢の残骸 (ちくま文庫) (文庫) 魅力的な数々のエピソード。著者ではないが、思わず、ハーパーのソーダ割り(ハイボール)を飲みながら、話の行間から2人の青春時代を、いろいろ想像したくなる、ソフトで哀愁漂…

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作者:松谷 みよ子レビュー: 現代民話考 10 狼・山犬・猫 (文庫) 古代以来、犬は「人類最良の友」とよばれてきた。本書で扱われる狼、山犬、猫はすべて人間のそばにあって人間と共に生きてきた動物たちである。ある時は愛され、ある時は畏れられ、ある時は…

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作者:吉本 由美レビュー: かっこよく年をとりたい (ちくま文庫) (文庫) 著者は80年代に雑貨ブームを巻き起こしたスタイリスト。吉本さんが興味を持っているのは、「おばあさんになったら、どこに住むか、何を着るか」。その前提として「いかに自立した老人…

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作者:川本 三郎レビュー: 私の東京万華鏡 (ちくま文庫) (文庫) 東京が変わっていく様子を映画や文学、筆者の記憶を通して描いています。中でも「原っぱ」という存在に焦点を合わせているところが、東京出身者ならではの発想ではないかと感じました。この本…

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作者:宮台 真司レビュー: 終わりなき日常を生きろ―オウム完全克服マニュアル (ちくま文庫) (文庫) 一部の人にとってはめちゃめちゃにきつい本でしょうね。 ブラセラ女子高生を礼賛してきた宮台。たとえば、子供の頃から塾に通って、勉強して、いい大学に入…

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作者:F.L. アレンレビュー: シンス・イエスタデイ―1930年代・アメリカ (ちくま文庫) (文庫) 1929年の世界大恐慌以降のアメリカの状況を、経済だけに止まらず文化や風習に至るまで、詳説した貴重な記録。恐慌以降、どのようにしてアメリカが立ち直って…

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作者:平野 威馬雄レビュー: 陰者の告白 (ちくま文庫) (文庫) とにかく奇抜な平野氏ですが、こんな恐ろしい月日を過ごした過去があったとは驚きでした。内容は、エロチックかつグロテスクです。でも精神病院で見聞きしたことの描写はほほえんでしまう部分も…

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作者:橋本 克彦レビュー: 欲望の迷宮―新宿歌舞伎町 (講談社文庫) (文庫) 「欲望の迷宮・新宿歌舞伎町」というテーマから、内容が若干のズレがある部分もあるように思いました。作家、役者の話が随分と延々と書かれてますが、そのエピソードは私個人的には…

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作者:山田 風太郎レビュー: 明治バベルの塔―山田風太郎明治小説全集〈12〉 (ちくま文庫) (文庫) 紛うかたなき天才、山田風太郎はその晩年に明治小説全集を続々刊行していく。それは全てが抜群に面白いものであった。まあ、風太郎先生の書いたもので面白く…

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作者:末井 昭レビュー: 素敵なダイナマイトスキャンダル (ちくま文庫) (文庫) 伝説の編集者・末井昭のことを2.30代で知っている人は少ないだろう。しかしこの本を読めば、84年単行本化のあと、2度文庫化された意味が良く分かるはずだ。話は母親のダイナマ…

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作者:志村 ふくみレビュー: 色を奏でる (ちくま文庫) (文庫) 染織という仕事の醍醐味、深みが、美しい日本語にのせられて、じんわりとこちらの心に沁み入ってくるような好著だ。そして何より、著者の志村さんが、おそらく我々の多くとはまったく異なる価値…

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作者:出久根 達郎レビュー: 花ゆらゆら (ちくま文庫) (文庫) 高知の牧野植物園を訪れては、牧野富太郎博士が詠んだ歌「草を褥に木の根を枕花を恋して九十年」を思い浮かべる。つくしんぼは「筆の花」と言われると知らされ、これは花だろうかと疑問をもち子…

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作者:近藤 ようこレビュー: 美しの首 (ちくま文庫) (文庫) 近藤の描く絵は、あまりグチャグチャと線を書き込まない、だから、描線が整理されている印象を与え、且つ、トーンの使用量も僅か。更に、コマ割りもシンプル(しかし、絵画的効果は十分に計算され…

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作者:テランス ディックスレビュー: とびきりお茶目な英文学入門 (ちくま文庫) (文庫) 英語で書かれた文学について、自分が読んでいる本にどのような評価があるのかをみるのに大変手ごろで役に立ち、ありがたい。イラストもおもしろい。 チョーサー、シェ…