Book Review!


作者:中島 義道


レビュー: 哲学者とは何か (ちくま文庫) (文庫)

 著者の中島義道氏については、数年前に『哲学の教科書』(講談社学術文庫)を書店で拾い読みして以来、永井均氏や野家啓一氏らと並んで、「要チェック哲学者」の一人であった。今回本書に大森荘蔵氏との対談が2本も収録されているのを知り、即購入。 著者の主張は「海外思潮の動向の紹介だけでなく、日本の哲学者も自分で哲学の問題を考えよう」ってことで、その趣旨に異論は無いが、肝心の中島氏自身の哲学的思考はカントに傾きすぎで、大森氏や永井氏の思考ほど自立的なものは感じられない。騒音社会ニッポンに対する批判も、陳腐で感情的に思われ、哲学的な突っ込みは浅いものではないだろうか?(この点では解説の松原隆一郎氏の感想に溜飲が下がった。)
 大森氏との対談も時間論とカントに!集中?!
??たものでやや物足りない気がした。しかし対談時期と相手を考えれば無理も無いか。
 


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