Book Review!


作者:溥儀


レビュー: わが半生―「満州国」皇帝の自伝〈上〉 (ちくま文庫) (文庫)

溥儀が中国共産党の下執筆した文章を、「人民文学」の編集者・李文逹なる執筆者がまとめたもの。李文逹は後年、経済開放下の中国で当書の著作権を要求をしている。この辺りを念頭におき、他の関連本と併せて読むことが、溥儀の内面洞察の近道ではないかと感じた。また、本文中にある溥儀の心理描写をよく理解できるかとも感じた。

即位後3年で廃帝となった清朝第十代皇帝・溥儀の皇帝復辟への並々ならぬ執着と傀儡満州国の皇帝を経て中国共産党下で10年の戦犯投獄生活から心中平穏な人生へと導かれる溥儀を通して、近代中国史を疑似体験することが出来る読み応えのある逸品かと思う。


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