2015-03-01から1ヶ月間の記事一覧

Book Review!

作者:赤瀬川 原平レビュー: ちょっ??! ?触っていいですか―中古カメラのススメ (単行本) カメラにも赤瀬川さんにも全然詳しくない私でも十分に楽しめました。前半には中古カメラで撮影した、いい雰囲気の写真が掲載され、それぞれのカメラレンズの持ち味も…

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作者:江藤 淳レビュー: 江藤淳コレクション〈2〉エセー (ちくま学芸文庫) (文庫) 江藤淳の堅い文芸評論を読まない人にも、江藤のエセーは一読をすすめたい。江藤の日本語の美しさは、戦後日本最高のものであろうし、彼の繊細な平衡感覚と強い美学に支えら…

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作者:ウォルター・ロードレビュー: タイタニック号の最期 (ちくま文庫) (文庫) タイタニックが沈没していく様子と、そのときの乗客、乗員の様子、心理描写な細かくなされており、じょうけいがとてもよく理解できた。 ただ翻訳の日本語ははっきり言ってひど…

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作者:磯淵 猛レビュー: ティータイムのその前に (ちくま文庫) (文庫) 私が紅茶好きになったきっかけの本です。紅茶研究家の磯淵猛氏の最初のエッセイ集です。もちろん紅茶の淹れ方やフルーツティーにミルクティーの淹れ方の説明もありますが、紅茶にこんな…

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作者:桜井 哲夫レビュー: 不良少年 (ちくま新書) (新書) タイトルから考えると、現在の問題行動についての書物だと思われるでしょうが、本書の大半は、不良少年史についてです。映画やマンガの中の不良少年の描かれ方の分析が大半を占めます。現在の問題行…

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作者:アーダルベルト・シュティフターレビュー: 晩夏 上 (ちくま文庫) (文庫) 「この小説を最後まで読み通した方にはポーランドの王冠を進呈する」とまで言われた、きわめて静的な作品.何か事件が起こることを期待して本書を手に取った人は、ポーランド王…

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作者:貴田 庄レビュー: 小津安二郎の食卓 (ちくま文庫) (文庫) シーンに散らばる飲食シーンを題材に、小津映画への愛が溢れた評論になっている。読むと、まずそこに書かれた店に行ってみたくなる。その前に、鰻が食いたくなる。トンカツが食いたくなる。問…

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作者:高島 俊男レビュー: 水滸伝の世界 (ちくま文庫) (文庫) 「水滸伝人物事典」「水滸伝と日本人」など、国内の水滸伝研究本を数多く手がけた高島俊男氏による本書。全17章から成り、それぞれが独立したテーマを扱っています。その一部をここでピックア…

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作者:鴨居 羊子レビュー: カモイクッキング―くらしと料理を10倍たのしむ (ちくま文庫) (文庫) 1985年に牧羊社から出た単行本の文庫化。 著者は下着デザイナーとして一世を風靡した人物。エッセイストとしても知られた。 本書は、美食・グルメ本ではない。…

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作者:宮元 啓一レビュー: 仏教誕生 (ちくま新書) (新書) 仏教と一口に言っても、いろんな宗派があり、国によっても様々である。もともとの仏教はどういう宗教だったのか?お釈迦様は一体なんで偉いのか?そのシンプルな疑問にズバリ答えてくれるのがこの一…

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作者:竹内 薫レビュー: 世界が変わる現代物理学 (ちくま新書) (新書) この本は現代物理学の歴史的な説を含めて、とてもわかりやすく書いてある。著者は文系の人にでもわかるようにと述べているが、近頃はベクトルの概念がわからない文系も多いので、ちょっ…

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作者:岩田 正美レビュー: 現代の貧困―ワーキングプア/ホームレス/生活保護 (ちくま新書) (新書) テレビやベストセラー「下流社会」の影響で、誰もが下流=貧困に陥るかのような言説が広まったが、著者はそうではなく、貧困は特定の「不利な人々」に固定化…

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作者:杉浦 茂レビュー: 猿飛佐助 (ちくま文庫) (文庫) この作品が傑作であることは確かです。文庫なのがうれしい、いつでも杉浦漫画が持ち歩けます。 更に詳細を見る

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作者:古今亭 志ん朝レビュー: 志ん朝の風流入門 (ちくま文庫) (文庫) 落語家の古今亭志ん朝師が「四季」をテーマにして日本古来からの古い言葉を紹介したり、諺やその言葉の由来などを面白おかしく紹介、解説していく、という内容。もともとはラジオ番組だ…

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作者:桂 米朝レビュー: 上方落語 桂米朝コレクション〈8〉美味礼賛 (ちくま文庫) (文庫) 落語は、聴くものである。が、音だけでなく、文字を見て初めて深く理解できる事もある。そして、米朝により各噺の前に書かれている口上はその噺をより興味深く聞き入…

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作者:殿山 泰司レビュー: JAMJAM日記 (ちくま文庫) (文庫) 殿山泰司という役者のことを良く知らないままに読み始めた。読み進めてゆくと聞いたことのある小説や映画や俳優の名前がぽんぽん出てくる。過ぎ去ったかの時代を目前でスクリーンに映し出している…

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作者:武田 徹レビュー: 戦争報道 (ちくま新書) (新書) 「戦場がジャーナリズムを鍛える」ことが「常識」であるらしい。著者自身は戦場へ行ったことがないが、戦場へ行ったことのないことに対して、コンプレックスを抱いていたと告白している。しかし、現場…

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作者:猪野 健治レビュー: 暴対法下のやくざ (ちくま文庫) (文庫) 暴対法。それは暴力団が不当な力を行使することのできないようにするための法律である。そして暴力団。それはその名が示すとおり、暴力を駆使する団体であろうか。そんなわけはあるまい。暴…

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作者:W. シェイクスピアレビュー: シェイクスピア全集 (1) ハムレット (文庫) シェイクスピアを一度も読んだことが無い人にはお薦めできません。現代のTVドラマなんかと比べたら、展開が遅いし、台詞がやたら長いからです。ハムレットを読みたい・読まな…

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作者:内藤 剛志レビュー: ないとう流 (ちくま文庫) (文庫) 内藤さんの子供の頃からの話などすごくおもしろかったです。この本を読んでファンになりました。内藤さんはすごく文章を書くのがうまいです。一気に読んでしまいました。また書いてもらいたい。 …

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作者:W. シェイクスピアレビュー: シェイクスピア全集 (3) マクベス (文庫) マクベスとマクベス夫人の対比が面白い。最初は夫人に背中を押されて鼓舞、さらに罵倒されることでしか悪事に向かえなかったマクベスが、終盤には夫人をも圧倒する存在になり、逆…

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作者:アンジェラ カーターレビュー: 血染めの部屋―大人のための幻想童話 (ちくま文庫) (文庫) 愛するイギリス映画『狼の血族』の原作本。狼人間ネタにとにかく弱い私には『狼アリス』がツボ直撃です。人間世界の底辺で孤独に震える魂と魂の出会い。 更に詳…

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作者:斎藤 美奈子レビュー: 紅一点論―アニメ・特撮・伝記のヒロイン像 (ちくま文庫) (文庫) アニメの批評や特撮の批評というのは一種の閉鎖社会です。こうした閉鎖社会に、アニメや特撮にとくに詳しいわけでもない斎藤美奈子さんが果敢にいどんだことをま…

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作者:橘 外男レビュー: 怪奇探偵小説名作選〈5〉橘外男集―逗子物語 (ちくま文庫) (文庫) ■編者の日下三蔵氏は、当代随一の若手アンソロジストである。お人柄も良い。氏が手がけておられるちくま文庫の《怪奇探偵小説傑作選》《怪奇探偵小説名作選》や、扶…

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作者:山田 風太郎レビュー: 警視庁草紙〈下〉―山田風太郎明治小説全集〈2〉 (ちくま文庫) (文庫) 上巻から通しで事件のからくりもさること乍、この下巻は特に人物のひとりひとりが男女問わず恰好いい!(まあまあ‥救いようのないような人もいるけれども)実在…

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作者:山田 風太郎レビュー: 地の果ての獄〈上〉―山田風太郎明治小説全集〈5〉 (ちくま文庫) (文庫) 今回の主人公は有馬四郎助(ありま しろのすけ)北海道樺戸集治監での看守募集に応募し、看守長兼書記となる。監獄改良と行刑制度の確立に務めた。樺戸集…

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作者:山下 清レビュー: 日本ぶらりぶらり (ちくま文庫) (文庫) 「はだかの大将」で知られている画家・山下清が放浪を止めてから書いた紀行文。小学生のような文体で表現された彼の思考が絶妙に面白い。今で言う差別語も頻出して、本書に素朴で無垢で骨太い…

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作者:山崎 浩一レビュー: 危険な文章講座 (ちくま新書) (新書) 言語化するとはどういうことかを考えるのに良い本。大学受験をするときに予備校の先生が参考図書として推薦したもの。当時は読まなかったのだけど、10年前にタイムスリップした気持ちで読ん…

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作者:茂木 秀昭レビュー: ザ・ディベート―自己責任時代の思考・表現技術 (ちくま新書) (新書) 腹芸、根回し、面従腹背といった日本的コミュニケーションに代わるコミュニケーションのグローバル・スタンダードを模索する動きは「ディベート」をキーワード…

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作者:赤瀬川 原平レビュー: 老人力 全一冊 (ちくま文庫) (文庫) 単行本のときにとても話題になった本を、文庫本になってから買うのは「今ごろ」っていう感じがしてちょっとだけ恥ずかしい。だけどこの本に関しては、むしろ今ごろになってから買うのが正し…