Book Review!


作者:E.D.ビガーズ


レビュー: チャーリー・チャンの活躍 (創元推理文庫 122-1) (文庫)

世界一周観光旅行をしているアメリカ人の団体のある富豪の老人がロンドンで絞殺されます。ロンドン警視庁のダフ警部が捜査にあたりますが犠牲者は次々と増えていき、やがてハワイ警察のチャン警部がその事件を引き継ぐというお話です。それまで悪人として推理小説では描かれていた中国人ですが、チャンの登場により初めて法と秩序の側に立つことになります。
その大きな体とは対照的に謙虚なチャン警部は、人の心を和ませる存在です。実際にチャン警部が登場するのは物語が後半になってからで、捜査はほとんどダフ警部が行っています。シリーズ五作目なのでちょっと変わった趣向を凝らしてみたかったのでしょう。
犯人捜しは怪しげな人物がばらまかれていて絞り込むのになかなか苦労させられます。結局??!
?れまで苦労した割にはあっさり決まるのが不満と言えば不満ですが。この作品はイギリス人がアメリカの事をまだよく知らない時代で、アメリカの地図を見て「なんて大きな国なんだ」と驚いている姿はなかなか面白いです。
また、立ち寄った港として横浜という地名やチャンの部下で日本人が出てくるのも同じ日本人としては興味深いところです。


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