Book Review!


作者:アイザック アシモフ


レビュー: ユニオン・クラブ綺談 (創元推理文庫) (文庫)

ユニオン・クラブにいつもの三人が集まり話しに花を咲かせていると、安楽椅子でうたた寝をしていたように見えた老人が目を覚まして自分の手柄話をはじめだす、といった趣向の30編がおさめられた短編集。この老人グリズウォルド、自称「人に安心感を与えるどっしりとした風貌と態度ふるまい、目に宿る隠そうとしても隠せない知性の輝き」を持つ人物、相手を見下したような言葉を交えながら話しを進めていく。この話しがいつも尻切れトンボ、「わしは犯人をつかまえた」「わしは暗号を解読した」で終ってしまい、どうやってつかまえたか、どうやって解読したかは言わないままで、また眠りに戻ろうとする。聞いていた三人があわてて説明を求めると、「何だ、わからなかったのか!」「もう気が付いたとおも!った?!
??な」などとイヤらしいことを言いながら説明をはじめる…。
知り合いや友人にはしたくない、なかなかイイ性格の爺さんなんです。なのにまた次の話を聞きたくなる。恐るべし、グリズウォルド・マジック!


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