Book Review!


作者:アントニイ・バークリー


レビュー: ジャンピング・ジェニイ (創元推理文庫) (文庫)

 これには、まいった! 通常の犯人探しの探偵小説とは全く違うミステリ小説。ユーモアとウィットの利いたコメディを見ているみたいな趣って言ってもいいかな。本当に面白かった。

 名探偵ならぬ迷探偵、ロジャー・シェリンガムが活躍する作品です。あちこちで、「おいおい」とツッコミを入れたくなるシェリンガムの右往左往ぶり、状況をややこしいものにする推理と行動が、とても愉快でしたね。シェリンガムったら、全くとんでもない探偵だよ!

 普通の探偵小説とは、全く違う趣向が凝らされています。それは、シチュエーションの風変わりな妙味と、被害者の死をめぐって一致団結する登場人物たちの言動の面白さにあったように思います。二転三転するシェリンガムの推理も愉快でしたし、シ??!
?リンガムをはじめ、登場人物たちの奮闘(?)には、「頑張れ〜」と思わず応援したくなったくらい。エンディングのひとひねりと併せて、何とも旨みのあるミステリでしたね。
 


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