Book Review!


作者:深沢 七郎

レビュー: 深沢七郎集〈第3巻〉 (単行本)

笛吹川』も『甲州子守唄』も深沢七郎の地元が舞台です。時は、前者が戦国時代、後者が大東亜戦争前後です。

笛吹川』:当作品をはじめて読んだ時は『楢山節考』をはじめて読んだ時とはまた違う驚きをおぼえました。長編作品のストーリーテラーとしての凄さを著者に感じました。こうまで主人公とおぼしき人物の立て続けに死ぬ作品は、わたくしにとってはじめてでした。たたただもう驚きました。それでも(聞くところによりますと)まだこの作品あたりまでは古参作家の武田泰淳に、作品の出来について感想をもとめ、お伺いをたてていたようです。この作品を見せた時、古参作家は「もうわたしに見せなくてもいいでしょう・・」と新人に述べたそうです。(わたくしが思うに)古参作家は脂汗を額に浮か??!
?つつ言葉を発せざるを得なかったのではないかと思われます。

甲州子守唄』:『笛吹川』が命の無常であることを主人公であるとするなら、こちらはお金の無常であることを主人公とするような作品です。

作品の内容をチョッと種明かししてしまいましたが、アラスジをしっかり聞いたとしても、感動の薄れるような脆弱な作品ではありません。

どうぞご覧くださいませ。


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