2015-01-01から1年間の記事一覧

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作者:新川 明レビュー: 沖縄・統合と反逆 (ハードカバー) この本は2000年の出版である。著者1931年(ヤマトゥの都市で言えば昭和6年)生まれ。沖縄タイムス勤務。『沖縄大百科事典』の編纂にあたった。ヤマトゥと琉球の立場を明治政府による併合(琉球処分…

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作者:井上 浩一レビュー: ビザンツ皇妃列伝―憧れの都に咲いた花 (単行本) 今日ほどビザンツ帝国史が一般的に知れわたっていなかったので、たいへん興味深く読めたという想い出のある本です。世間一般ではビザンツ帝国の皇妃と云えば、せいぜいユースティー…

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作者:山折 哲雄レビュー: 悪と日本人 (単行本) レビューアーは専門家でも研究者でもありませんので、一般読者の視点ということを先ずおことわりします。著者を存じ上げず、悪源太やスサノオノミコト系、またはローレンツの「攻撃 悪の自然誌」系展開かと勝…

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作者:エーリヒ ケストナーレビュー: ケストナーの「ほらふき男爵」 (ちくま文庫) (文庫) 文庫にしては高い本ですが、その価値はあります。「ほらふき男爵」「ドン・キホーテ」「シルダの町の人びと」「オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」「ガリバー旅…

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作者:日本語検定委員会レビュー: 日本語検定 公式 過去問題集 2級 平成22年度版 (単行本(ソフトカバー)) 2009年(平成21年)に実施された日本語検定(以下「語検」)2級の過去問とその解答解説である。「語検」とは日本語スキルを認定する検定試験(民…

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作者:ハンス・ウルリッヒ・オブリストレビュー: ザハ・ハディッドは語る (単行本) 今までプロジェクトの写真は色々と見てきましたが、日本語に翻訳されたインタビュー本は今回が初めてでした。長い間建築界から相手にされなかった人が、なぜ成功したのか分…

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作者:竹内 佐千子レビュー: 男子禁制 ようこそ!女子の秘密の花園へ (単行本(ソフトカバー)) 女の子しか行かない場所に行って遊ぶという内容の本ですが、行く場所がネイルサロンやデパートのコスメ売り場や下着売り場や109じゃ普通すぎると思います。…

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作者:清水 義範レビュー: 世界文学必勝法 (単行本) 10年くらいまえ?に毎日新聞に連載されていたころから本になるのをまっていました。たまたま本屋でぶらぶらしていたら発見しすぐにかってしまいました。なかなか本を読む時間がとれませんが、本をよみた…

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作者:瀬戸内 寂聴レビュー: 孤高の人 (ちくま文庫) (文庫) 湯浅芳子の伝記的覚書である。その限りではいいが、副題をつけてほしかったとも思う。山原鶴、河野多恵子、矢田津世子、田村俊子といった人たちが登場する。しかし、宮本百合子に対して瀬戸内が冷…

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作者:佐野 洋子レビュー: 私はそうは思わない (ちくま文庫) (文庫) この本では、佐野さんが40歳代頃のエッセイが読める(離婚後、再婚前)。冒頭の「「まえがき」のかわりの自問自答」で、読者は、佐野洋子を読める人かそうでないかが、きっとわかるだろ…

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作者:日高 敏隆レビュー: 動物と人間の世界認識 (単行本) われわれが見ているこの世の中と、イヌが見ているこの世の中はちがうものである。ヒトやイヌだけにかぎらず、すべての種において「モノの見え方」というのはちがってくる。このように、見る対象は…

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作者:内田 美恵レビュー: ネオフィリア―新しもの好きの生態学 (単行本) なぜ地球上の生物で人間が突出した頭脳を持つのか?著者は、類稀なる人類の「好奇心」に注目し、さまざまな事例をもとに仮説を展開していく。動物行動学をはじめ生態学、植物学、心理…

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作者:有元 葉子レビュー: 料理は食材探しから (単行本(ソフトカバー)) もはや、有元葉子は、「料理研究家」という枠を超え、食とはなにかという文化研究に向かっているように思える。しかしながら、本書は、そういうしち難しい本ではなく、日本に昔から…

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作者:玄侑 宗久レビュー: 禅語遊心 (単行本) 禅語は難しいので、各章のタイトルになっている禅語を読んでも、何の事やらわからないものがほとんどであるが、玄侑さんは、それをわかり易く解説されている。 しかし、書かれていることを実践するとなると、か…

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作者:群 ようこレビュー: モモヨ、まだ九十歳 (ちくま文庫) (文庫) とてもパワフルなそして楽しいおばあさん、モモヨさんのお話です。九十歳で一人で東京に出てきてパンダを見に行ったりディズニ-ランドに行ったときにはスペースマウンテンに乗りたいと言…

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作者:ハリー・G・フランクファートレビュー: ウンコな議論 (単行本) 奇抜なタイトルとは正反対に、至って真面目な本。bullshit(牛の糞、へりくつ)という単語の概念を規定することに全てのページが費やされている。例もまた至って真面目、言葉遣いも難解…

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作者:レビュー: 原典訳 チベットの死者の書 (こころの本) (単行本) 「チベット死者の書」(バルドトゥドゥル)は、他にも2-3翻訳がありますが、この本を別にすると英訳からの翻訳で、ある程度、仏教思想の心得のある人が読むと、かえって理解しづらいも…

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作者:森 絵都レビュー: この女 (単行本) 楽しい読書で、読み終わった後も楽しい読後感。・・・と思っていたら、一晩明けると、胸に何かが刺さったような気持ち。いろいろいろいろなことを考えた。運命、その中を人が生き抜く力。生きるというのは、死んで…

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作者:デヴィッド エドモンズレビュー: ポパーとウィトゲンシュタインとのあいだで交わされた世上名高い一〇分間の大激論の謎 (単行本) 伝記的なレベルではジャーナリストらしい入念かつ広範な調査がなされていると思う。例えばモーリッツ・シュリックの殺…

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作者:見坊 豪紀レビュー: ことばのくずかご〈89年版〉 (単行本) 厚ラケ、訃報、持来力、バットを置く、制卸倒壊、御仏飯育ち、IEEE…用例が列記されているだけだが、無駄な解説があるより却って良い。「話題性のあることば」とは専門用語など今も生きている…

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作者:原 暉之レビュー: インディギルカ号の悲劇―1930年代のロシア極東 (ハードカバー) 日本では美談とされた話をソ連側から検証した本北海道沿岸にソ連の船が座礁し、多くの犠牲者を出すものの沿岸の住民の決死の努力で多くの人が救われたしかし今ひとつソ…

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作者:井上 一馬レビュー: 井上一馬の翻訳教室 (単行本) どんな辞書を使うかで、おおきな英和辞書、英英辞書。の2つを勧めているのは参考になった。自分では、西和辞書、漢和辞書、国語辞書もおおきなものを使っている。 更に詳細を見る

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作者:レビュー: 路上観察学入門 (単行本) 路上観察学がいかにして始まったのか、よく分かると思います。トマソン現象も写真つきでけっこう紹介されています。丁寧で分かりやすい内容ですよ。路上観察学とはなんぞや、という方にもお薦めです。 更に詳細を…

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作者:早川 茉莉レビュー: 森茉莉かぶれ (単行本) 帯にある「手紙魔だった作家に宛てて、48通のラブレター」とあるように、1年を通して森茉莉所縁の土地から手紙(というには延々と切れ間ない問いかけるような文章)という形を借りて、森茉莉について書いてい…

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作者:ルイ アルチュセールレビュー: 哲学について (単行本) 良き、ルイ・アルチュセール哲学の入門書になると思われる。スペイン語圏=ラテン・アメリカに向けて書かれたらしく、重訳を避けるために、フランス語のテキストから参照されて、訳出されている…

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作者:ペン編集部レビュー: ペンブックス7 美しい絵本。 (Pen BOOKS) (単行本(ソフトカバー)) Penの特集を書籍にしたもの。雑誌のときに買いそびれたわたしには、かなりうれしい。帯に「大人のための」って書いてあるように、大人が見て楽しい絵本がい…

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作者:ダイアン アッカーマンレビュー: 月に歌うクジラ (ちくま文庫) (文庫) レビューにもあるとおりすごく綺麗な文章で動物達のことを心から愛してやまない作者がそれぞれの動物達について熱く美しく、詳しく語ってくれます。タイトルでも惹かれるとおりこ…

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作者:重松 静馬レビュー: 重松日記 (単行本) 原爆文学の名作、井伏鱒二の「黒い雨」の資料になった日記です。著者重松静馬は、被爆当時日本繊維広島工場に勤務し山陽本線横川駅で被爆。その記録を「何の役に立ててほしい」と知り合いの井伏に見せ、井伏を…

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作者:呉 智英レビュー: つぎはぎ仏教入門 (単行本) カント的な語の正統な意味で「仏教批判」と言えるでしょう。仏教内部から袴谷憲昭氏、松本史郎氏などが提唱した「批判仏教」に対して、外部からの普遍思想としての「仏教批判」となっています。仏教の原…

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作者:前川 恒雄レビュー: 移動図書館ひまわり号 (単行本) これは昭和40年に1台の移動図書館から始まり、日本有数の貸し出し冊数を誇る日野市立図書館の初代館長が綴った本である。日野市の人口急増に伴い、成長著しく、2台目を購入したり、20年で全国有数…