Book Review!


作者:杉浦 日向子


レビュー: 江戸へようこそ (ちくま文庫) (文庫)

やや学術的な「歴史好き」でもなく、「時代劇好き」でもない普通の人に、自然でありのままの「江戸人」の姿を伝えたい、というような狙いで書かれたエッセイ。吉原、春画、戯作、粋についての考察と中島梓高橋克彦、岡本螢との対談を収録。杉浦氏が言うところの、江戸人の「あっけらかんとした絶望感」が行間からひしひしと伝わってきて、彼らの世界観を堪能できる好著。明治の開国から西欧に追いつき追い越せで、日本人がそれ以前に持っていた、西洋文明の文脈には当てはまらない生き方の知恵みたいなものが失われてしまってきているのではないでしょうか? 江戸文化のその文明度の高さは、もしかしたら世界随一かもしれない。江戸人の生き方から学べるものは沢山ある。そんな思いが肩肘はらないエッセイ??!
?形で伝わってくる作品です。


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