Book Review!
作者:多久 弘一
レビュー: 漢文楽話 (ちくま文庫) (文庫)
著者は漢文の先生であり代々木ゼミナールの校長でもある。
戦前から戦後にかけて中国に在住し、その間得た深い知識と
興味深い体験が、漢字と漢文にまつわるエピソード集である
本書を非常に面白いものにしている。
たとえば、「民」は、目を針で潰された奴隷の意味だが、実際
に著者は戦前上海で目を潰され美しく着飾った少女が細い杖
を突いて宴席に出かける姿をよく見たという。歌を歌ったり
京劇のセリフを語ったり楽器を弾いたりするのが仕事だ。彼
女らは逃亡防止や客を選ばないように目を潰されるのだが、
二十歳を過ぎて美しい声が出なくなると、そのまま巷に放り
出されたという。
このような興味深い話がいっぱい紹??!
?されている。漢字、漢
文、そして中国文化の理解が一層深まること疑いなし。
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