Book Review!


作者:江川 晴


レビュー: 医療少年院物語―法務教官という名の看護婦 (ちくま文庫) (文庫)

まだコトバもままならないながらも反抗期の息子を前に、たびたび声を荒げ、自己嫌悪に陥る毎日。夜、ぐずり暴れてようやく寝付いた息子の隣に転がって読み続けた本書は、法務教官として少年の矯正にたずさわる夏川看護婦と現在の自分を対比させ、また、少年たちの生育歴ににじみ出る彼らの親と現在の自分を対比させ、非常に考えさせられる一冊でした。『看護の第一歩は患者の苦しみに共感する事から始まる。もしこれが反射的に嫌悪の情をあらわすようなら、同情より自己防衛のほうが強い性格を示すから、看護の仕事には向かないのである。』とは、巻末に近いところにある文章です。今の私は息子に対する、生活に対する自己防衛でいっぱいで、息子の気持ちや苛立ちをきちんと見据える努力をしていないので!はな?!
??か、と愕然とした思いでした。


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