Book Review!


作者:かわぐち かいじ

レビュー: 回想 沈黙の団塊世代へ (文庫)

沈黙の艦隊』ファンだったので、執筆当時の裏話などがあるかと期待したのですが、純粋にかわぐち氏の半生記です。

団塊Jrにとって親である団塊世代は、社会に対し何がそんなに不満だったのか理解しかねる人たちでもあります。ひとつには団塊の親たちが戦争世代であり、本書でかわぐち氏は「父親が戦場で人を殺したかもしれない。その上に自分の生があることに直面するのが怖くて、それを聞くことから逃げてきた」と述べます。子は親が関わった戦争を直視せず、悲惨な記憶となった戦争に繋がる親の世代の価値観を否定する。これがあの学園紛争に連なると言われれば少しは納得できる気がします。

幼い頃を過ごした瀬戸内の島での暮らし、青春時代に夢中になった映画や音楽。同世代の方は懐かしく!
感じる内容でしょう。


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