Book Review!


作者:ツベタナ クリステワ


レビュー: 心づくしの日本語: 和歌でよむ古代の思想 (ちくま新書) (新書)

著者はブルガリア生まれのICU教授。日本人の考え方や日本語そのものに興味があって手に取ったので、和歌など読み飛ばした部分も多かったけど、記憶に残るであろうとても興味深い一冊でした。掛詞からはじまって著者独自の解釈も含む助詞助動詞に至る後半の論には、目を開かせられました。日本語は厳密な表現が可能でありながら意図して一つの言葉にいくつものの意味を込めた(隠した)。歌のテクニックという理解は浅はかでした。また、歌中の「ぬ」の解釈について、一意に意味を決めたがる男と、懐深く相反する複数の意味をそのまま受け止められる女(筆者も女)という洞察には「そうかもなあ」と何となく笑えました。(ちなみに小生は男)


更に詳細を見る