Book Review!


作者:ジョルジュ バタイユ


レビュー: エロスの涙 (ちくま学芸文庫) (文庫)

確かにバタイユの中では親しみやすく、
読みやすいうちの一つではある。
しかし、随所にいつもの論理の飛躍はあり
そういう意味でバタイユらしさも感じることができる。
バタイユ最後の著書ということで
バタイユが生きている中でどこに漂着したか、
あるいみその終着点をみることができる。
ただそれは宗教的恍惚と死とエロチシズムとの
常に追い求めていた問題の最も極限化された形なのであるが。
最後の中国の処刑などのくだりはおぞましい。
フランスにて当初発禁処分をうけたのも最もという感じ。
しかし、それでもあるひとつの真実であることには
変わりないという気がした。
人間のおぞましい真実、それを真正面から見つめるか
それともそれを覆い隠すか、??!
?れは読む人しだいであろう。
読むのに多大なエネルギーと労苦を要する書物、
でもそれだからこそバタイユは評価され、そして多数の人をひきつけ
多数の人に読まれるのだろう。
ただ全てのひとにおすすめできるわけではない。
思想とは概してそういうものかもしれないが。


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