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作者:山本 博文


レビュー: 男の嫉妬 武士道の論理と心理 (ちくま新書) (新書)

武士道というと、旧五千円札の新渡戸稲造と「葉隠」を書いた山本常朝を思い出す人も多いだろう。
本書は、主として江戸時代の武士道のあり方、あるいはその変化について、「嫉妬」を絡めて記載している。従って新渡戸稲造の「武士道」のような論理性はなく、「葉隠」の記述の中にも「正論」ではあるが、常朝の経歴などを紹介し、嫉妬から出た記述であるとしている。他に大久保彦左衛門、柳沢吉保などの行跡についても、武士道と絡めて解説している。
武士道の場合、一種の解釈憲法のようなものだから、義と忠が対立した時に板挟みになる。だから映画などにも取り上げられる。それと裏返しに、一つの行為でも解釈によっては、賞賛されたり、武士道にもとる行為と判断されることもある。その解釈基準が「??!
?妬」ということなのだろう。
とすると、現在の日本のいろいろな組織でみられる判断と似ているところがあるとも言えるだろう。


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