Book Review!


作者:ヤーコプ グリム


レビュー: グリム童話〈下〉 (ちくま文庫) (文庫)

 下巻には『いばら姫』(眠り姫)、『白雪姫』『ヨリンデとヨリンゲル』などの有名な話が収録され、上巻よりハッピーエンドの話が多くて、ほっとさせられる。たとえば『恋人ローラント』や『十二人の狩人』など、好きになった男(王子)を信じ続けて最後に結ばれる娘(姫)の話や、正直者が結局幸せになる『いのちの水』など、受け入れやすい話も多い。相棒の犬を殺した馬方に復讐する強いすずめの話『犬とすずめ』などは、なんだかとても感動的。でも、復讐の仕方が執念深いところに、グリム童話の底深さを感じる。

 「ひとりの王がいた。王には、ひとりの姫がいた。とびきり美しい。器量がいいのを鼻にかけ……」この『つぐみひげの王』のように、ドライな文章でテンポよく進むこの本は、大人も一??!
?は目を通しておきたい一冊。


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