Book Review!


作者:香西 秀信


レビュー: 議論術速成法―新しいトピカ (ちくま新書) (新書)

 著者は、論法を蓄えることを勧める中で、「論法を抽象的な「型」として理解するのではなく、あくまでも具体的な議論によって覚えなければならない。・・説得的な論法を大量に注ぎ込んで、頭の中の論法量を集中的に増大させよう(p83)」と書く。自分が説得されたと思う論法をたくさん仕入れて、それをあえて分類しないというわけだ。「型」はおのずと見えてくると。 実際、筆者が実例を収集していく中で、集まってきた議論の数々が似たような思考法に基づいて展開されていることに気ついたと言う。特に、筆者の気に入る呉智英氏や福田恒存氏の論法は、ほとんど同じような型にそって展開されていた。相手を論破するにも、その人の得意技があって、それを切れ味鋭くここぞというときに繰り出すところに、一流??!
?言論人の妙味があるのだろう。 最後はこの技でしとめる、てか。
  なるほど。これからは、論文を読んだりディベートを聞いたりするときには、最後の決め技に注目してみよう。そのためにも、私としてはやはり「型」をもっと知りたい。できればそれぞれの技にもう少し気の利いた「技名」をつけていただるとなおありがたい。「出たー。福田のスピニング・シミラー・グールド!」みたいな。
 


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