Book Review!


作者:W.V. クワイン


レビュー: 哲学事典―AからZの定義集 (ちくま学芸文庫) (文庫)

本書は「哲学事典―~とは何であるかを考える」の文庫化です。語学〜数学〜哲学に関する色々なキーワード(A:アルファベット〜Z:ゼロ)に関するエッセイ的解説集で、決して哲学用語の辞書ではありません。どこからでも好きな話題から拾い読み出来ます。
著者の幅広い知識が披露される際に醸し出される「凝り性」「マニア」な感じが、なんだかアシモフの科学エッセイ集に通じるものがあります(笑)。外国語(英語及びそれ以外の言語)・数学(特に数論・論理学・集合論などの数学基礎論)に多少通じている方が面白く読めると思います。なにせ「ゲーデル不完全性定理」や「フェルマーの最終定理」といった話題も出てきますので。(原著が古く(1987年刊)、フェルマーの最終定理は「まだ解けてない」ことになっていて古臭い部!
分も多少ありますが、それでも十分に読み応えがありました) また、「なんちゃってpolyglot」を目指す私にとって、語学に関する話はナカナカ面白く、「トリビアの泉」的ネタにもすっかり感心しました。こうしてこの著者の博識/機知/ユーモアにすっかり魅了されました。
一般読者に広くお薦めできるような本ではありませんが、語学・数学・哲学のどれにも興味がある人にはお薦めできそうです。


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