Book Review!


作者:養老 孟司

レビュー: 解剖学教室へようこそ (ちくま文庫) (文庫)

解剖って、なんだか気味が悪いものではないだろうか、と漠然と

距離を置いている人を歩み寄らせるには、なかなかいい内容だと思う。

解剖とは、言葉で名を与え、細分化し、世界の構成要素をとらえること。

どんな時代の背景があり、考え方が変遷し、人間が人間を言葉で分解

していったのか、その過程を含め説明している。

語数がかなり短い文をこまめに連ねているので、比較的読みやすく

出来ている。文庫で読むには丁度いい感じ。

後半、原子だ分子だ、など極小の話をするときに”ややこしいことは

さておいて”のやり方が愛想なく、結果、締めくくりの章がぼやけて

しまったのは残念。


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