Book Review!


作者:橋本 治

レビュー: ちゃんと話すための敬語の本 (ちくまプリマー新書) (新書)

日本語という、「敬語になりそうなところはかたっぱしから敬語にしてしまう」面倒くさい言葉をつかって生きる私たちのための本。なんで、そんなメンドウなことになったのかの、歴史的な背景もわかりやすく説明してくれる。「身分」とか「目上・目下」といった、実にややこしい来歴が後ろにはあるようで、そこから自由になるのは、けっこう難しいらしい。ただ、その辺の事情を知っていれば、ずっと身動きがとりやすくなる。
何はともあれ、本書は実用書そのものである。たとえば電車内でよんで、すぐに会社や学校の中で応用できそうな感じである。とくに人間関係の問題、に対して、役に立つ。「敬語」とは、それほど親しくない人との「距離」のとり方をめぐる言葉のあり方、であるから。つまり人付き合いの??!
?ニュアル本でもあるのだが、最後には、日本人としてどう生きたらよいか、という少し大きめの話題にまでつながってくる。小著ながら、得られるものはたくさんある。著者が念頭においている十代の若者だけに読ませておくのは、もったいない。


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