Book Review!


作者:紀田 順一郎


レビュー: 古本街の殺人 (創元推理文庫) (文庫)

 『鹿の幻影』(1989年の単行本、1994年の創原推理文庫)を改題して、再び創原推理文庫から刊行したもの。
 この人の作品は、どのあたりに面白さがあるのか、いまいち分からない。私は古本マニアだが、本書を読んでもまったく血が沸き立たないのである。また、ミステリとしても魅力を感じられない。
 けっして出来が悪いわけではない。登場する古本マニアたちは、いかにもという造形だし、「くすぐり」も各所に仕込まれている。ミステリとしても、納得できる話である。
 それなのに、面白くない。不思議な作家だ。


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