Book Review!


作者:石原 伸司

レビュー: ムショの中の怖くてオモロイ人々 (だいわ文庫) (文庫)

出張前に書店で気楽に読めるもの、というどうでもいい基準で
選んだ本ですが、意外な「拾い物」でした。

同じようなムショものとしては、『獄窓記』では刑務所生活の前、つまり、
著者がなんで罪に問われることになったのかが延々と書かれていて退屈
だった(後半の囚人介護、刑務所の内幕のほうにページ割くべきだった)
私にとっては、この著者がなんで刑務所に入ることになったのか書かれて
おらず、その服役生活もまるで反省の色がないところが気に入りました。

なんか、楽しそうなんですよね、刑務所生活。
規則正しい生活と三度三度のおまんま(正月の話など読むと)、それに
看守の目を盗んで繰り広げられる「反則」という娯楽。
文章がめちゃくちゃうまいとい??!
?わけではありませんが、「苦楽ひっくるめて
懲役生活の楽しさを伝えよう」という意識が書き手にあるので、よく活写され
ていてすいすい読めます。

どんな状況でも生きることを楽しむ人にはかなわないな、などと、この本で
思わなくてもいいこと、自己啓発書の読後感みたいなことを思ってしまいました。
(ということは、半端な自己啓発書よりおもしろいのか?)


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