Book Review!


作者:平林 直哉

レビュー: クラシック名曲初演&初録音事典 (単行本(ソフトカバー))

盤鬼・平林直哉の執念の1冊。こういう仕事に敬意を表さなければ、どだい尊敬すべき仕事などこの世にない(?)。音楽史、レコード業界、メディア文化史は勿論、社会学的にも貴重な資料だ。彼の名盤復刻にかける情熱にも畏れ入るが、本書の労苦には満腔の敬意を表したい。評者のような音楽鑑賞の大半がCDという人間には、まこと偉業としか思えない。しかもこれは同志による偉業なのである。
作曲家事典としても、エピソードの文章からして適切にしてユーモラス。それぞれの項目も読み応え十分だ。因みに任意のページを開いてみられよ。ブラームスの『ハイドン変奏曲』。初演のブラームスは当然としても、世界初録音は? 何とカザルス&ロンドン響! 知ってる人には常識かもしれないが、驚いた。こうい??!
?例がいっぱいあって楽しめること請け合い。

やはり時間と元手のかかった本は違う。


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