Book Review!


作者:山田 風太

レビュー: わが推理小説零年―山田風太郎エッセイ集成 (単行本)

山風の既刊エッセイ集は、わりあい歳を経てから書かれたものばかりでした。
そのため油が抜けきったと言いますか、達観した人生観を淡々と綴った文章が多かったものです。

しかし本書は、まだ若く作家論や作品論を模索し、隠しながらも隠しきれない覇気を抱いていた時代のものも収録しています。
その鋭い論理にははっとするものが多く、さすが天才と唸らされるものがあります。

作品論や作家論といったエッセイも、まとまって読めるとなると興味深いものがあります。
親愛の念がにじみ出た乱歩、横溝正史高木彬光阿佐田哲也らを語る文章の数々。
筒井康隆について書かれた二編は、この二人は似たもの同士だとわかって興味深いものが。

改めて山田風太郎の才気と情熱を??!
?見できる、ファン必須の一冊といえるでしょう。


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