Book Review!


作者:紙田 公


レビュー: やさしい電気の手ほどき (単行本)

電気なんて中学校の理科以来勉強したこともない。そこで参考書を読んでみる。イラストや図で見た目にはカラフルなのだが、読み進めると結局何が何だかよく分からない…。電気の勉強でこんな経験をされた方にはぜひ本書をお勧めしたい。
特筆すべきは読者に対するあたたかい配慮である。用語(他の本ならば「これくらい知ってるだろ」的な扱いの言葉も)を使う際は必ず定義が述べられているし、既出の言葉にも大抵参照ページが注記されている。また、説明を端折る時はちゃんと「難しいから端折ります」と一言断りがある。これはとても大きい。いたずらに難解な解説も困るが、何の断りもなく端折られるとどんどん疑問が積み重なって、もやもや感が残るものなのだ。些細なことだと思う方もいるだろうが、入門??!
?にとってはこうした配慮はありがたいものである。 
また、類書でいきなり三角関数が出てきて面食らった方もあるかもしれないが、本書では難解な数式は一切ない。本書の内容を押さえた上で、数式を用いた本格的な本へ進めばよい。 
決して流し読みが出来るほどに簡単な内容ではないが、熟読すれば着実に電気に対する理解が得られる本だと思う。
余談だが、「電荷」という用語(p6)をこれほど分かりやすく腑に落ちる解説をしてくれている本を私はまだ見たことが無い。


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