Book Review!


作者:森 於菟


レビュー: 父親としての森鴎外 (ちくま文庫) (文庫)

鴎外の長男、解剖学者の森於菟博士の随筆集。彼の理知的で温厚な性格が感じられる。鴎外の遺子の中で自分だけが生母が異なるという哀しき宿命と複雑な家庭環境によって生じる家族内の確執の歴史。。しかし鴎外亡きあと兄弟4人少しずつながら寄り添っていけたのは、家長となった於菟の温厚な性格があったればこそだと思う。異母妹茉莉も書いているように彼は寂しい少年だった。そのトラウマを乗り越えて端正に温和に生きた彼を立派であると思う。末弟異母弟の森類の著書「鴎外のこどもたち」の最後の部分にある「真実の兄弟ならばどんなに良い兄かと思う。」「兄の横顔を見て‘兄さん’心の中でよぶのであった。」の場面にはすくなからず感動を覚えた。温厚な於菟に対して、純粋な類の感情が氷解した時だった??!
?もしれない。


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