Book Review!


作者:大瀧 雅之


レビュー: 景気循環の読み方―バブルと不良債権の経済学 (ちくま新書) (新書)

第4章までは数式がでてくるので、面倒な人は経済の復習なので飛ばし読みしてよい。面白いのは、第5章以降で、1970年代以降のマクロ経済学のミクロ的基礎に言及しつつ、日本の金子勝宇沢弘文佐和隆光などの経済学者であるにもかかわらず、経済学への呪詛をいいつのる大衆迎合的言論を、切って捨てる様は、その暗号的文章をよめるものには圧巻。さらに筆者の独自の理論、ケインズ派新古典派理論は、矛盾せずに、両立しうることを説く部分は、最先端の経済理論のおもしろさをかいま見ることができ、知的興奮を呼び起こす。このような新書版で、あたらしい理論をかいま見せるこの本は、まれな価値をもつ。ぜひ後ろの部分を味読されたい。


更に詳細を見る