Book Review!


作者:アーサー ケストラー


レビュー: ヨハネス・ケプラー―近代宇宙観の夜明け (ちくま学芸文庫) (文庫)

中世世界観から近代科学への過渡的時代を文字通り体現した
ケプラーの伝記。
中世的な固定観念にとらわれつつ、望遠鏡等観測手段の発達や
観測データの蓄積が同時になされつつあった時代の中。
ケプラーが自身の固定観念と客観的観測を前に、思考を迷走させ
るさまや、ブラーエ後継を工作するさまが(ケプラーが記録魔だ
ったこともあり)赤裸々に描かれている。
世界は因果律以外の共鳴的な規則でもって関連している、とい
占星術に典型的な観念。多面体の組み合わせによる、惑星運動
模型の作成という妄想。占星術と信仰と客観的観測の奇妙な折衷
関係がこの時代にはあったということだ。
ニュートンでなく、コペルニクスでもなく、ケプラーが体現して
いた奇妙な橋??!
?しのポジションにテーマを絞って展開した名著。


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