Book Review!


作者:ジョルジュ デュメジル


レビュー: デュメジル・コレクション〈1〉 (ちくま学芸文庫) (文庫)

 デュメジル印欧語族全般の神話宗教の比較研究で有名ですが、最近はファンタジー・マンガの源泉にもなっています。たとえば『ベルセルク』。主人公ガッツは片目・片手。本書をはじめデュメジルによれば、片目は狂気と魔術の神の身体的シンボルであり、片手は司法、契約、友愛の神の身体的シンボルであるとし、この2つの神が神々の主権を二分するという。狂気と友愛は相反する性質。そこで、この2種のシンボルをその身に負うガッツは、狂気と友愛の間で引き裂かれそうになる人物として描かれているわけ。同じことが『鋼の錬金術師』にも言えたりする。 むろん神話宗教の研究書として注目だが、それよりもマンガに目が向いてしまった。これはデュメジルの功績のごく一部にすぎないけれど、でも、デュメジ??!
?もファンタジーの源泉になってしまう時代なんだなあ、…と何気に感慨深い。


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