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レビュー: 原典訳 マハーバーラタ〈6〉 (ちくま学芸文庫) (文庫)

マハーバーラタは、むしろ本筋より、クリシュナとアルジュナの会話の形で挿入されるヒンズー教の聖書ともいえる“バガヴァッド・ギーター”で有名ですが、この6巻はギーターを含みます。他の巻同様、この巻も訳者の判断により省略箇所がありますが、ギーターの部分には省略はありません(このシリーズはマハーバーラタサンスクリットからの原典訳ですが、全訳ではありません)。ただ、ギーターの部分の訳は訳者が岩波文庫に出版したものとほぼ同じで、岩波文庫にある詳細な注は一切ありませんので、ギーターの理解を望む人には岩波文庫をすすめます。貴重と思われるのは、ギーターが挿入される前後の話で、いよいよギーターが語られるという緊張感や語られた後の戦場の雰囲気などを味わいたいという人には??!
?勧め。この巻では、本筋に関係のないサイドストーリーは極めて少なく、戦闘の開始からビーシュマが矢の床に倒れるまでが描かれます。戦闘シーンは誰と誰が戦ったという記述の繰り返しで単調です。見せ場である矢の床のシーンも、文章だけでは、なかなかイメージはわかないと思われますので、ファンにはインドで大ヒットしたテレビシリーズのMahabharatあるいはShree Krishnaの視聴をお勧めします。弁慶の立ち往生が色褪せてしまうほど壮絶です。


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