Book Review!


作者:柳 宗悦

レビュー: 柳宗悦コレクション2 もの (全3巻) (ちくま学芸文庫) (文庫)

ヨーロッパの中世の教会彫刻から、日本各地の様々な工芸品など、ものに関する柳の文章を集めた、コレクションの第2巻目。
柳は、独自の観察眼から、何気ない工芸品に美を感じる。そして、その工芸品だけではなく、それを作った人あるいは人々に想いを馳せる。さらに、それを作った人々の、心の中にも、深く入り込んでいく。そこに、純真な心や、深い信仰心を発見する。
”「見ること」と「知ること」”という文章において、柳は次のように書いている。
”観ることよりも知ることを先に働かす者は美に触れることが出来ない。”
あるいは、次のように書く。
”見ずして知る者は神秘を知らない。”
こうした文章に、柳のものを見るということについての、核心が現れている。
柳は、その文章?!
??通して、現在の私たちにも、どのようにものを見たら良いかを教えてくれる。それは、ただ、そのものを見て、その時に心に感じることを、大切にするということだ。
もし、何かを見て、その時に、心に何も浮かばない人間は、そもそもが、心の中に何も持っていない、空っぽの人間なのだ。


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