Book Review!


作者:幸井 俊高

レビュー: 漢方的スローライフ (新書)

最近巷でも認知度の上がってきた漢方についての本ですが、医学そのものよりもむしろ、漢方処方の根底に流れる「漢方的思考」を我々の日々の生活に応用するための手引き書という印象です。もちろん、基礎知識として、現代の人間がからだを壊す背景に始まり、西洋医学と漢方のアプローチの違い、漢方処方を受ける上で大切な心構えなどもわかりやすく解説されています。漢方では、バランスの崩れた体質を改善し、本来からだ自身が持っている生命力を回復させることで、病気や症状の根本からの改善を目指します。つまり、病気を治すのは(医者や薬ではなく)自分のからだ自身というわけで、そのからだをつくる元となる食事の重要性を含め、自身のからだを思いやることの大切さを説きます。今日、社会は複雑になる??!
?方で、誰しもが大なり小なりストレスや悩みをかかえて生きています。そんな時代にはこの漢方思考で、「足りないものを探す人生から、満ち足りている部分に目を向けて感謝する人生へ」(P.150)シフトすることで、心もからだも満たされた毎日を送れるような予感がしました。「なんだ、もっとシンプルに生きればいいんだ」と、前向きな気持ちにさせてくれる一冊です。


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