Book Review!


作者:塩野 米松

レビュー: 手業に学べ 技 (ちくま文庫) (単行本)

現代では、「ただ、生きる」。が理屈が入ってきて幸福追求権となり醜悪になってしまった。
ここには、13人の手仕事の人たちが訥々と語ってくれた聞き書きが収録されている。
手仕事とは、自然を熟知しなければ仕事にならない。体と勘とセンスを身に付けなければ生きていけない。そして、誰もそれを教えてはくれない。自分で工夫するしかない。一代限りで進歩という観念もない。
各人によって作られた物も美しいが、顔も物言わずとも鍛えられた存在感が底光りしている。

宮崎の竹細工師廣島一夫さんの言葉を紹介したい。
竹細工師には、左足が不自由だったため「手に職をつける」ためになった。
「農家の軒下がわしらの職場よ。日が照るところは日が照りかかる。
雨が降れば濡れる??!
?う。仕事場にいちばん苦労したな。
で、俺もなんとかして戸の立つところで仕事をしたいという、それが一番の望みで、それが叶ったとこで、もう望みはのうなったのう。」

これ以上は、不要。


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