Book Review!


作者:矢作 俊彦


レビュー: ライオンを夢見る (単行本)

 伝説に彩られた作家ヘミングウェイの足跡を、数十年かけて追っていく。
 企画だけでも十分面白いのに、それを書くのが矢作俊彦とあっては、
面白くない訳が(いや、こういう風にいろいろと騙されたりしましたが)。「そして二度と戻らなかった。一年半後、アイダホ州ケチャホの新居で自ら命を絶った。 その知らせに打ちひしがれたコヒマルの漁師達は、
 その方が友人が喜ぶにちがいないと言って大いに酒を飲んだ。
 そして、スクリューを持ち寄って溶かし、彫刻家に頼んで銅像を港に建てた。
 フロリディータでは、死の翌日、一人のバーテンダーがカウンターを磨いて以来、
こうして小説家の席を鎖でふさぎ、人を近寄せない」 この文章の隣には、誰も座っていない席にカクテルと葉??!
?、
灰皿を並べた写真が載っていた。
 偉大な小説家には伝説がつきものだが、それを粋なまま伝えることが出来るのもやはり、
偉大な小説家だけに違いない。
老人と海』や『キリマンジェロの雪』を読み返そうと思わせてくれます。


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