Book Review!


作者:泡坂 妻夫


レビュー: 妖女のねむり (創元推理文庫) (文庫)

週刊文春1983年 国内10位

古紙回収で発見した樋口一葉の書の謎を追って、諏訪へ向かう真一。旅の途中で出会った麻芸から、前世からの恋人であると告げられ一夜をともにする。次第に前世の記憶がよみがえり始めた真一の前で事件がおこる ・・・

本書の前半までは、???が正直なところ。過去世をリーディングできる黒光様が、二人の因縁を言い当てるにいたって、悪く言えばオカルト話かと思ってしまった。
が、奇術師でもある作者のこと、これだけ超常現象をあつかっていながら、すっきりと謎を解いてみせる(もっとも手品は種あかししないけどね)。驚き!でっかい風呂敷を、あれよあれよと畳まれてしまった印象。殺人事件の顛末より、こちらの決着のつけ方が実に興味深い。最後の最後まで??!
?冒頭の伏線が効いている。「都合良すぎ〜」、ていうのもあるんだが、話の面白さが、そんな感想を凌駕してしまうんだよなぁ。

ただ、関連する登場人物が、ちと多くて、話しをてんこ盛りにし過ぎたかもね。


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