Book Review!


作者:キム・スタンリー・ロビンスン


レビュー: グリーン・マーズ〈上〉 (創元SF文庫) (文庫)

火星3部作第2弾。暗いキャラと不自然ストーリーで読みにくく今一だった前作より相当ましになった。第1部氷の中の都市は素直に綺麗。第2、4部潜入話はブラナー(ザンジバー/衝撃波)ぽい。「バイオティック」の名は「ザンジバー」の「ビューティック」の真似だろう。相変わらず専門用語辞典から拾いまくってるかのような、知識や専門用語の羅列が凄まじい。本作では岩石用語、植物/生物用語、脳生理学用語等に相当詳しくなります(原書はもっと凄い、辞書引きまくり)。下巻ではレッドマーズの殺人の真相が暴かれる。あとはお約束の「革命」。型にはまってるけどしょうがない。今回は「レッド」のような人死にまくりの派手さはなく、ほぼ無血革命。ただし岩脈地帯でUNMAとの衝突はある。岩脈壊して??!
?ロゥズドームが水浸しになるシーンが本作のハイライト。これで火星に海ができる。「ブルー」楽しみ。訳について。「レッド」よりかなり良くなり力作。ただしちょっとこなれ過ぎ。原書は非常に緻密な文体で一語一語選んでいる。それがイイ味出している。


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