Book Review!


作者:小木曽 絢子


レビュー: Warrior's Apprentice (マスマーケット)

 マイルズ・ヴォルコシガンの冒険シリーズはどれも、一級のエンターテイメントだ。 マイルズはニュータイプのヒーローだ。バラヤー帝国の摂政であった父を暗殺しようとしたガス弾は、その時母の胎内にいたマイルズに深刻な後遺症をもたらした。その結果、150cmに満たない身長、チョークのようにもろく折れやすい骨、といった肉体的ハンディを抱えた彼が、次々に起る事件(多くは、自らの好奇心が招いたものだが)を、持ち前の、気転と根性と運とで切る抜ける。テンポの速いストーリー展開と、複雑な主人公の性格が魅力。 本作品は、スケールの大きなスペースオペラ貴種流離譚といった趣のある作品であると同時に、マイルズの年代記としては、一作目にあたるもので、彼の性格、生い立ち、彼を囲む人!々につ??!
?て知るためにも、必読。 すでに、「戦士志願」(創元SF文庫)のタイトルで邦訳されているが、ビジョルドの独特の雰囲気を持った文体を味わうためにも、是非原文でも読んでみることをお勧めする。 貴族社会のフォーマルな会話から、ユーモアたっぷりのくだけたやり取りにいたる様々な言語レベルの会話も面白いし、テンポの速い語り口、特に状況描写から内的独白への転換が小気味良い。ただ、単語は結構見慣れないものが多かったので、読みはじめは大変かもしれない。


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