Book Review!


作者:フィッツ=ジェイムズ オブライエン


レビュー: 金剛石のレンズ (創元推理文庫) (文庫)

オブライエンのまとまった短編集が文庫で刊行されたのは、1979年のサンリオSF文庫「失われた部屋」が最初です。本書は、この「失われた部屋」を基に新たに訳された4編を追加した短編集となります。訳者は「失われた部屋」と同じ大瀧啓裕氏。既訳の10編についても新たに訳文を改めています。この短編集が編まれた経緯は、同氏の解説に詳細に記されています。ラヴクラフト全集のように、いつもながらの「作品解題」は、このレアな作家の人となりと作品を知る上でためになります。オブライエンの科学に対する嗜好や想像力は、ポーに匹敵すると思います。「金剛石のレンズ」「あれは何だったのか」「ワンダースミス」など面白く、「手から口へ」はルイス・キャロル風のシュールな展開でセンス・オブ・ワンダーを感?!
??させます。19世紀ゴシック小説の好きな方にお薦めします。


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