Book Review!


作者:リチャード ハル


レビュー: 他言は無用 (創元推理文庫) (文庫)

紳士の憩いの場であるクラブでおきた、料理人のミスによる事故。人命にかかわるまでになってしまい、クラブの体面を気にする幹事は、医者を味方につけてウヤムヤのうちに事態を収拾してしまう。これで一安心と思いきや、今度は脅迫状が届けられ・・・。書き方一つではドタバタ劇になってしまうような内容なのですが、ジックリ落ち着いた文章で語られていきます。何とかクラブの平和を守ろうと悪戦苦闘するのだが、根が優柔不断なために何事もうまくいかない幹事の姿には、気の毒だと同情をおぼえながらも思わずクスッ、細かいことにうるさい弁護士の繰り広げるシャーロック・ホームズばりの名(迷)推理にはニヤッ、というように、読んでいるとついつい笑いがこみ上げてくるような、「余裕」のようなものを感??!
?させるユーモアのあふれるミステリです。


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